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ここは独断と偏見による映画評のコーナーです。
映画館で見た映画だけにしぼってあります。
ネタばれもありますので、まだ見てない映画のレビューを読む時は気をつけてください。
☆は5つが最高です。

●●Movie No.80●●
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アバウト・ア・ボーイ  ☆☆☆ 2002 Sept.
 どうもアメリカ(ハリウッド)映画のラブコメ・恋愛モノを見てると、アメリカ人の道徳心のなさがハナにつくんだよね。ほんのちょっとしたことで、すぐに「ねる」という段階まで行っちゃう。ラブコメじゃなくても、ちょっといっしょにペアで仕事したからゆうだけで、すぐに「ねる」関係になっちゃう。
 この性に対する道徳心(貞節心?)の日米の差を感じるのは、もう古くなった世代だけですかねぇ??

 さて、シングルマザーなら「いてこませる!」と思った遊び人ヒュー・グラントが、自殺常習の母をもつマーカス君に気に入られてしまい、二人の間に友情が芽生え・・・という展開。

 筋はかなり「みえみえ」なんやけど、笑えるシーンがいっぱいで、イヤミもなく気持ちいい。

 ヒュー・グラントはこういう役にぴったり。この人、刑事とかアクションものには絶対出られへんやろね。

 ラストのコンサートシーンはたぶんもう一つのエンディングもあったと思う。
 ロバータ・フラックの「キリング・ミー・ソフトリー」を歌おうとするマーカス君、超ハジかきの一歩手前でグラント・パパ登場、ポケットから放り投げるCDプレイヤー、「ヘッドホンをつけろ!」と必死でジェスチャーするグラント、怪訝そうに聞いてみるマーカス、場内ブーイング、流れて来るラップの音、マーカス君の顔がキラっと光って、歌い出す過激なラップ、場内・・・シーン・・・、だんだん客席ものってきて大喝采、舞台のソデでにっこりのグラント、拍手と大歓声がフェードアウトして、ラストのパーティーのシーンへ。
 こういうバージョンも考えたはず。でも、これにすると、グラントが成長しないままだから、やっぱりボツになったんでしょう。

 地味なラストシーンにはなっちゃったけど、これでよかったんかな?

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●●Movie No.79●●
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チェンジング・レーン  ☆☆ 2002 Aug.
 よう、いてまっしゃろ?となりの車線を走ってる車がウインカー、かっちんかっちんさせてるのになかなか車線変更ようせんとウロウロしてる。入ってくるんかな〜と思って、こっちが減速したったらピュウーって行ってまいよるやつ。めっちゃハラたつ!

 この映画は、その車線変更するのがヘタなもんどうしが事故おこしちゃう。相手が黒人やったからか、白紙の小切手渡してその場を立ち去ろうとする弁護士と、おいおいオレは別に金めあてで事故おこしたんとちゃうぞ!と怒る相手。まあええからええからと慌てて行っちゃう弁護士。くっそー!ハラたつ!オレもいそいでるんじゃー!とキレる黒人のおっさん。お前の車は動くからええけえど、オレのん動けへんやんけー。どないしてくれるねん!・・・おや〜?あいつ何か落として行きやがったぞ。なんかのファイルや。書類いっぱい入ってる。まあ拾っておこう。

 さて、慌てて立ち去った弁護士、裁判所に着いてから大事なファイルがないことに気がつく。あー!あのときやー!あそこで落としたんやー!えらいこっちゃー。あれがなかったら、今やってる裁判がパーやがな。探しに行こう!
 さて、車がダメになったオッサンもなんとか裁判所へ・・・(実はさっきの弁護士の向かった裁判所と同じ!)。このオッサンも子どもの養育権をめぐって元ヨメはんと裁判中だったのね。ところが遅刻を理由に「お前、やる気あるのかー」って怒られて、こっちもパーに。くっそー、あの事故さえなかったらー。ハラ立つー。あいつのせいやー!

 で、ついに弁護士はオッサンを見つけるんやけど、オッサンもハラ立ってるからおいそれとはファイル返したれへん。ここらへんまでのドラマはかなり緊張感もあって、さあ、これからどーなるんや〜!と期待はどんどんふくらむんやが・・・弁護士もウラから手をまわしてヒキョーなことしたりするし、オッサンも脅迫まがいのことして弁護士を殺しかけたりする・・・しかし・・・。

 完全に腰砕けのストーリー。おいおい、そうなるんかいな。なんでそんな解決方法なん?他になんにも思い付かなかったの?脚本屋さんよー。そんなオチでは誰も「よかった、よかった」とは納得せえへんで。見終わった時のガックリ感はすごいで。

 ベン・アフレックとサミュエル・ジャクソンは「ミスキャスト」と言わせてもらおう。

 自動車教習所で見せたらええ映画やね。車線変更でドジったらこんな目に会うでーというこっちゃ。

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●●Movie No.78●●
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タイムマシン  なし 2002 Aug.
 えらいえらいSF作家、HGウェルズの孫か親戚かシランけど、よう、まあ、こんなしょーもない映画作りよったなあ。自分で作ってて、あまりのしょーもなさに気がついて病気になったらしいで(途中で監督変わったらしい)。

 恋人がワルモンに殺されて、そのショックで?タイムマシンを作って過去へ戻って、恋人が殺されないようにしようと考えた天才科学者。ちょっとー、その前にねー、キミ、あまりにも簡単に恋人を殺されすぎよ。あっけなく殺されるやん。もうちょっと抵抗の仕方もあるでしょう。それにねー、キミ、恋人を殺したワルモン、そのまま簡単に逃がすやん。追いかけもせえへんやん。それって、おかしいやん。ふつうクッソーとかゆうて追いかけて逆にボコボコにするぐらいなんとちゃうのん?

 まあ、それは許したるとしても、作ったタイムマシンは一体何で動いてるん?まだ馬車が走ってる時代やろ?エネルギーは何やねん?

 それも許したろか。それにしても過去にもどってもやっぱり恋人は死んじゃうんや。過去は変えられへんというこっちゃ。なんで変えられへんねん!ゆうて未来に答えを求めに行くんや。行くんはええけど、めっちゃ適当にタイムマシンを止めてるやん。まあ、このへんでええかーゆう感じやん。天才科学者のわりにアバウトすぎるんとちゃう?(2030年に登場するホログラムが「長寿と繁栄を」とかスポックのマネしてゆうやんか。あれは何?)

 さて、バルカン人ホログラムに聞いてもアカンかったら次は80万年後!!飛びすぎ。月がぶっこわれて地球が破滅した後、また地球が原始時代からやりなおして・・・でも建物とかは壊れながらも残ってたり、英語が通じたり、おかしなことばっかり。
 後半は「猿の惑星」ばりのアクションでおしまい。

 途中で「だめだ、こりゃ」と分かってしまう映画でした。

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●●Movie No.77●●
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オールド・ルーキー  ☆☆ 2002 Aug.
 ディズニー映画らしいスポ根もの。それなりに楽しめた。原題はThe Rookie。

 野球好きの少年がおって、父親の転勤のたびにその町その町のチームを転々としながらも上手になっていく。でも父親はまったく野球には理解を示さない。なんとかプロになるんやけど、肩をこわしてプロもやめ、高校の先生をしながら野球部のコーチをしている・・・というのがデニス・クエイド。なかなかシブイおっさん。

 高校生のチームにはっぱをかけるために「お前らが優勝したらオレはプロの入団テスト受けたら〜」という約束をしちゃう。そしたらほんまに優勝しよる。いとも簡単に!
 ほんでテスト受けたら、めっちゃ速い球投げれるんで合格。とりあえずマイナーリーグから出発。いとも簡単に!
 マイナーで苦労するんやけど、メジャーからお呼びがかかる。いとも簡単に!
 そして押さえのピッチャーとして大魔神なみの大活躍。いとも簡単に!

 そして故郷の町で試合があるゆうんで、むかしの高校生たちがビラをまいたりして町中が応援に行く。そしてリリーフに登場。ぴしゃりと押さえて勝利!喜ぶ町中の人々!なんとその中には、あの父親の姿も!・・・という、ディズニーらしいメッチャ分かりやすい、簡単なストーリーの映画。

 映画館まで出かけて行ってまで見たくない。

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●●Movie No.76●●
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ザ・プロフェッショナル  ☆☆☆ 2002 Jul.
 な〜んかよくあるタイトルなのよねー。原題は「ハイスト(HEIST)」で強盗という意味。まんまやな、これじゃあ。

 「オーシャンズ11」みたいなもんで、いろんな道でのプロフェッショナルが集まってきて、すごいヤマを踏むという強盗もの。ところが、こちらはジーン・ハックマン隊長とデルロイ・リンドー、ピンキーと呼ばれるオジン(リッキー・ジェイ)、ハックマンのヨメはん(実は映画の監督のヨメはんらしい)、仕事の依頼者はダニー・デビート、その甥っこ(「ギャラクシークエストに出てたヤツ)ゆうのがからんでくるという、キャスティングの渋さ!枯れてる〜〜!地味〜〜!

 ところが、最初のシーンから「おおっ!」とうならせる展開で宝石強盗を成功させる。この1連のシーンはあざやか!ところが、ここでハックマンの顔が防犯ビデオに撮られちゃうという大失敗が!
 引退しようと思ってるのに、次の仕事がきちゃって・・・って、これはよくある話。で、このヤマがすごい!昔のフランス映画でこれあったでしょ。飛行機に乗ってる金塊を奪うという話。アラン・ドロン出てるやつであったでしょ。それもあって、全体に昔のフランス映画の犯罪ものっぽい感じ。なかなかスマート!

 後半になって、バンバン撃ち合いとか殺しあいになって、おもろなくなったけど、「スティング」ばりのどんでん返しの連続はニヤリとしちゃう心地よさ。ラストも「ざま〜みろ!」って感じで、いい後味でした。

 監督のデビッド・マメットはもともと脚本家で、「RONIN」とか「ハンニバル」の人やねんてさ。ストーリーの展開は上手やったけど、あの撃ち合いと殺しあいはイランでしょうが。もっとキレイにスマートに仕上げてよ!

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●●Movie No.75●●
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スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃  ☆☆☆☆ 2002 Jun.
 何からどう書いたらいいのか迷ってしまいますが、とりあえず「エピソード1」よりも面白かったし楽しめました。なにしろ「スター・ウォーズ」は単なる1本の映画としては語れないぐらいの社会現象ですから、他の映画と同じようには☆何個とか言えません。(ゆうても☆4つやけど)

 これは完全なオタク映画です。

 恐ろしいぐらい美しくデジタル処理された映像にちりばめられた膨大な情報量!その圧倒的な情報の中から何を見つけだすか!!というオタクの勝負なのです。
 アナキンとアミダラの禁断の恋だとか、共和国がいかにして帝国に変ぼうしていくのかとか、そういうストーリーは一回見たら分かることです。しかし、ジョージ・ルーカスは見てる人に挑戦してきています。「どうだ!あのシーンにはこういうシカケがあるんだぞ!見破れたか〜?」って。だから、リピーターが増えて、その謎ときを楽しめるようになってるんです。
 ゆうてみたら「エヴァンゲリオン」みたいな引っぱり方ですわ。1回1回のエピソードではハッキリせんもんが、ずぅ〜っと通して見たら、その謎が分かる。または、謎が謎を生む。でも、その1回1回がおもろい。

 さて、謎のいろいろについて。

 ・暗殺者ザムはなぜオビ・ワンを撃たなかったのか? 
 ・難民を装ってナブーに帰るのに、なんでアミダラはあんな派手な衣装なのか?
 ・新しい女王ジャミーラはなんでバカ殿なのか?
 ・ジェダイたちは目の前にいるパルパティーンの正体になんで気がつかないのか?
 ・ジェダイのくせになんでバタバタと死んでしまうのか?弱すぎない?
 ・クローン軍団のヘルメットはなんで「おかめ」なのか?
 ・ドゥークー伯爵は役作りが「ロード・オブ・ザ・リング」とごっちゃになってないか? 
 ・なんやかんやゆうて、あっさり結婚してもええのか?
 ・ヨーダががんばってるとき、オビワンはボーっとしてたけど、それでえええのか?
 ・ヨーダ、あんなに元気やったら杖いらんやん?
 ・アミダラ、次はもっともっと肌の露出増えるんか?

 次はまた先行オールナイトに挑戦だ〜!

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●●Movie No.74●●
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マジェスティック  ☆☆ 2002 Jun.
 「ショーシャンクの空に」のフランク・ダラボン監督作品。ジム・キャリーの真面目路線演技モノ。それだけで期待は高まる!

 でも、いい人ばっかり出て来て、見終わっても、いい話やね〜というレベル。

 悪い映画ではないですよ。見ても損はしませんよ。でも、ふ〜んってな感じしか残らんかった。長いし、ずぅっと同じペースやし、ダラボン監督のダラダラさがしんどかったね。

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●●Movie No.73●●
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ワンス・アンド・フォーエバー  ☆☆☆★ 2002 Jun.
 ベトナム戦争ゆうのは、ぼくらの年代にとっては、ロック文化とイコールのようなもんで、当時のロックを聞くことでベトナム戦争をなぜか疑似体験してたような気がする。
 もろに反戦の歌もあったし、戦争なんかいや〜よ!という逃げたような感じとか、戦争をバカにして遊んでるようなブラックな感じとか。そういう音楽を聞いて「ええな〜」と思ってた。
 かといって、ベトナム戦争を詳しく勉強したわけではないけど、沖縄から飛行機も飛んどったし、デモもあったし、中学生といえどもなんとなく「キナ臭さ」を感じてたんでしょう。その時の感じと当時のロックは、ぼくらの脳の同じ部分に残ってるんやと思う。

 オノ・ヨーコさんがこの映画にコメントをしてたぐらいやから、かなりエエんかな?と期待して見た。ただの戦争映画(ただのって何や?)じゃないらしいぞ!ってね。

 でも、やっぱり戦争映画でした。3日間の地獄のような戦闘場面はかなりのリアリティと残酷さで描かれてたし、最後にはアメリカが勝った!し、メル・ギブソンの指揮(戦略)が最後にはベトナム軍を圧倒したし、やっぱりアメリカは強いんやーという印象で終わってた。
 ただの戦争映画やった。アメリカの愛国心鼓舞的映画やった。

 ただ、前線に出る前の訓練の様子や、出撃前の演説や、それぞれの兵士たちの生活や、ダンナを戦場に送りだした奥さんたちの描き方や、ベトナム軍の「がんばり?」など、かなりの説得力で映像化されていたのが、☆が増えた理由。音楽もいい!単純に当時のロックの曲を流すようなマネはしてない。

 出てくる人がみ〜んな「いい人」ばっかりで、ほんならなんで戦争なんかするんや?という不思議な理不尽さ?それを「戦友のため」とか言われても、わからん!戦友を守るために戦争するっちゅう理屈はわからん。ほんまに、なんで戦争になるんや?
 メル・ギブソンの子どもが「Daddy, What is the war?」って聞くとこがある。起こってはならないことが、起こってしまったとき、愛する人たちを守るために戦うんだ。父親はそう答える。
 守るべき人たちのために、戦争をしない!という選択はないんか???
 日本国憲法9条はえらいなあ。絶対、守らないかんで。改悪は許したらアカンでー。

 ところで、あのヘリコプターは「イロコイス」で、ウチのネコ(大昔に飼っていたやつ)の名前はこのヘリコプターからとってつけたのだ。イロコイスを略してコイさんと呼んでいた。ちょうど、やつが産まれたとき、作っていたプラモがイロコイスだったのだ。

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●●Movie No.72●●
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アイ・アム・サム  ☆☆ 2002 Jun.
 もっと泣かせてくれる映画かと涙を期待して行ったけど、ぜ〜んぜん泣けなかった。

 7才の知能しかない父親ショーン・ペンが娘の養育権を取り戻そうと、敏腕?弁護士ミシェル・ファイファーと裁判で戦う。そのわりには法廷シーンにメリハリというかドラマがない。だいたいやねー、昔から「障害者モノ」というのは「お涙チョーダイもの」の定番やし、そこに「親子関係」という構図を入れて、それを「法廷モノ」という最高のお膳立てで見せてるのに、うぇ〜んと泣かせるヤマ場もない。これは大失敗というべきでしょう。いくらドキュメンタリーっぽく手ぶれの多いカメラワークでも、そういう小細工はこっちは期待もなにもしてないもんね。

 あの娘役の子は顔が整いすぎててカワイイを絵に書いたような感じで、賢すぎ!精神年令が高すぎ!

 里親のお母さんは「遠い空の向こうに」の先生をしてた人ですわ。

 結局、スポンサーになったスターバックスとピザ・ハットのCM臭さだけが心に残る映画でした。

 尚、知能が7才レベルでは「セックス」はできないらしいので、この映画の設定自体、無理があるということです。(某養護学校教諭の話)

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●●Movie No.71●●
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ハイ・クライムズ  ☆☆ 2002 Jun.
 アシュレイ・ジャドとモーガン・フリーマンのコンビは「コレクター」から2度目。

 なかなか手の込んだ物語で、エエもんやと思ってた人が実はワルもんで、ワルもんやったんや〜と思ったら、だんだん「あれ?エエもんなん?」と信じ始めて、やっぱりワルもんなんやーと確信したら、これまた、ちゃうかったり・・・と、人を信じられなくなります。

 かなり地味です。地味なモーガン・フリーマンが地味な弁護士という役やし、真実を暴いていくと一番根っこのところには軍の陰謀?みたいなのがあって、世の中がひっくり返るんか〜?と思ったら、上からフタされておしま〜い。な〜んや!

 話の展開があっちゃこっちゃ行くから、最後のツジツマ合わせもイマイチになってしもうた。なんで、あんなところに、あんな人がいきなり登場するんや?へ〜んなの〜。

 アシュレイ・ジャドのダンナをしてたのは、「ペイ・フォワード」で若いくせにホームレスやった人。ああいう顔の人は信用できひんってことやね。

 全体的に印象のうす〜い映画でした。

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