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ここは独断と偏見による映画評のコーナーです。
映画館で見た映画だけにしぼってあります。
ネタばれもありますので、まだ見てない映画のレビューを読む時は気をつけてください。
☆は5つが最高です。

●●Movie No.60●●
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エネミー・ライン  ☆☆☆ 2002 Mar.
  アメリカ海軍宣伝映画というか、まちがった愛国心煽動映画というか、実はパロディ満載の「最終絶叫計画」の戦争映画版というか・・・。なにしろ、見てくれのカッコよさを追求した戦争映画でした。ストーリーのおもしろさはあんまりない。でもたぶん、今のアメリカ人には「拍手喝采ブラボー総立ち」っちゅう映画やで。

 空母カールビンソンでのF-18の出撃シーンはかっこええでー。海軍全面協力やねんなーっちゅう感じ。そのF-18がセルビア軍のミサイルに追っかけられるシーンは見もの!必見!これは迫力ある!うなる!手に汗にぎる!ここは満足!「ガメラ3」のイリス撃墜(なぜかガメラに当たる)シーンにもまさるか??!!

 その後、オーウェン・ウィルソン(あんまり知らんなー)が単身敵地で逃げ回るんやけど、いろいろ文句言いたいシーンの連続。かなり脚本に「つじつまの破たん」がある。本、書いたの誰?と思ったら「エグゼクティブ・デシジョン」「チャーリーズ・エンジェル」「ミッション・トゥ・マーズ」の人。あー、こりゃ、しゃーないか。つぎはぎやんか。
 最後の救出シーンを盛り上げるために、いろいろとあるんやけど、作られ過ぎてて感動までいかへん。監督はまだ31才。これからに期待しよう?写真見たら年の割りにふけてるで。

 ところで、パロディやけど、「キャスト・アウェイ」「ランボー」「ミッション・インポシブル」「スターリングラード」とMTV系。他にも気が付いた人おったら、教えてね!

 ジーン・ハックマン、久しぶりに見たけど、かっこええで。ボクとしては戦争映画好きやから、ただやったらもう一回見てもええと思うぐらいの出来やで。

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●●Movie No.59●●
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地獄の黙示録 特別完全版  ☆☆ 2002 Feb.
 だいたい「地獄の黙示録」なんて、難解で退屈な映画やと思ってた。それに53分というカットされてた部分が復活したっちゅうんやから、さらに長くなって退屈さも倍増!やろと思って見に行った。

 案の定、あまりの長さにケツは痛いわ、あまりの退屈さに途中で寝てまうわ、なんでこんなもんに特別料金¥2000も払わされるねん!と文句ゆうて帰ってきたで。

 フランス人のプランテーション家族のエピソードはベトナム戦争を理解する上ではかなり参考になるシーンで、アメリカはインドシナからフランス人を追っ払うためにベトミンに武器を売ったりして協力してたんやて。なんか今のアフガンのテロと同じような構図やなあ。結局アメリカはそんなことばっかりやってきたんやな。テロに狙われてもしゃーないみたいなとこあるで。

 イカレた中佐のロバート・デュバルからサーフボードを奪って逃げるエピソードは追加して正解。狂気のなかにも普通の感覚が残ってるという感じ。

 プレイメイトと燃料を交換するシーンも追加されたシーンやねんけど、兵隊もプレイメイトも「消費」されるだけ、「使い捨て」されるだけというとこか?

 ラストは地味に、神をたおして新しく「神」になった?ウイラードが武器を捨てると、カーツの国の人々も武器を捨てるという終わり方。ええのか、わるいのか?

 戦争を「狂気」というキーワードでとことん描いたというか、「ウソばっかりやねん、戦争なんか!」というコッポラのメッセージがずしずし響いてくる映画。
 しかしネ、映画やねんから、あんまり監督の言いたいことばっかり言い立てられても、見てる方はシンドイねん。なんか、壇上から説教されてるみたいやん。もっと「見せ場」もサービスしてくれやんと、¥2000損した気分になるがな。

 巡視船の船長の黒人、誰かに似てるなあー、この声聞いたことあるなあーと思ったら、あの「マトリックス」のローレンス・フィッシュバーン(ラリー・フィッシュバーンという名前で出てた)だったのだ!若い!

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●●Movie No.58●●
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オーシャンズ11 ☆☆ 2002 Jan.
 おそるべき豪華キャスト!と、おおっ懐かしいラスベガスが舞台!全く血を流さない犯罪モノ!爽快感あるエンディング!・・・なのに☆☆??

 これ、監督がソダーバーグ??う〜ん、自分1人で分かってて、1人で喜んでるんかな〜?11人の犯罪メンバーをうまいこと配置して、それぞれがうまいこと仕事して、それぞれの持ち味を出して・・・。こんなギョーサン有名な俳優を使ったんやぞー!すごいやろー!ってか??

 アンタ!こういう金庫破りという犯罪モノの映画には絶対になくてはならない要素があるんよ!これがなかったら、いっこもおもしろくないんよ!
 それは「緊張感」や!ハラハラ・ドキドキ!うまいこといくんかなあ〜、そんなんしたらアカンがな〜!あ〜っ、ばれる!見つかる!失敗するー!っていう緊張感!それがいっこもあれへん。うまいこと行き過ぎ!!
 完全にヤラれたアンディ・ガルシアがまぬけなだけやん。なんぼマヌケでも気がつくやろー。あんな見え透いたジョージ・クルーニーの芝居!

 ぜ〜んぜんスリルもサスペンスも、11人のメンバーのカラミの面白さもない犯罪モノですわ。だめー!
 それでも☆☆なのはラスベガスが写ってたからだけなのよ。だって、行ったことあるねんもーん(自慢)!!

 この映画よりも予告編で見た「エピソード2」の方がよかったわ。鳥肌立った!

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●●Movie No.57●●
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バンディッツ ☆☆ 2002 Jan.
 おもしろいんやで。なかなか、よう出来てるんやで。後味もスッキリやし、別にここがアカンあそこがアカンっちゅう文句もないんやで。
 けどな、ブルース・ウィリスは、こういう「おとぼけ役」には、もうシンドイっちゅうことや。

 刑務所から行き当たりバッタリの脱獄をして、銀行強盗でもちょっとボケたりして、ケイト・ブランシェットをビリーボブ・ソントン・ジャムと取り合いして男の見にくい嫉妬心を見せつけたり・・・と、こういうおとぼけキャラはシンドイんですよ。つまり、貫禄ありすぎ!やねん。ボケても失敗しても、ホントはなんか考えてるんとちゃうか?と勘ぐってしまうんですわ。単純に「ボケ・キャラ」を楽しめないんですわ。

 その点、ソントン・ジャムさんはけったいな薬おたくキャラがはまってて、楽しめたんやけど、ブルース・ウィリスはそんな単純な性格であるはずがない!と思わせてしまう演技力をもってるから逆に厄介やねん。「ダイ・ハード」に出てたころなら大丈夫やったけど、今ではもう超大物やから、こういう脚本には合わんで。

 もうひとつ難を言えば、最後の「スタント」のトリックは、ちょっとマル分かりの伏線はりすぎ!説明しすぎると、分かり過ぎて、だーれもビックリせえへんでー。

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●●Movie No.56●●
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シュレック ☆☆☆ 2001.12/28
 最近、この手のアニメがめちゃ多いでんなあ。ディズニーは当然のこと、これはドリームワークスの作品やし、ほかの映画会社もバカバカ雨後のタケノコのごとくアニメ作りまくってる。それだけ、アニメでも客が呼べるようになったということ?というより、セルで作ってたアニメがCGで簡単に誰にでも作れるようになったから?
 たぶん、誰にでも手軽にそこそこのレベルのCGアニメが作れるようになったからでしょうね。そうなってくると、CGうんぬんよりも、映画としての内容がちゃんとしてるかどうかが問われるわけよ。

 ということで、このシュレック。全然、期待はしてなかったけど、まあまあでした。ロバの声のエディ・マーフィー色の濃〜い映画になっちゃってたけど、それはそれで成功。全編、パロディと下ネタギャグで大人はガハガハ笑えるシーンの連続。でも、お子さまにはちょっと・・・?

 キャメロンちゃん演ずるお姫様が、実はアグリーな怪物なんだけど、運命の人のキスで本当の姿に戻れる!!さて、彼女の本当の姿とは!!
 なーるほど、そういうことが言いたかったのね!God Bless Everybody!というわけね。う〜ん、なかなかcoolやんか!

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●●Movie No.55●●
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バニラ・スカイ ☆☆☆ 2001.12/26
 結局、ひとことで言うと「夢と現実の区別がつかなくなった、浮気な男の破滅ストーリー」だったのね。トム君、自分のルックスに酔っちゃって、キャメロンちゃんだけにしときゃーよかったのに、ペネロペちゃんにも手ェ出したりするから、こんなひどい目に会うのよ。気ィつけなはれ!

 見ていてもどこからが夢で、どこまでが現実なのか、だんだん分からんようになってくる。最後に「種あかし」されても、え〜?そうなん?って感じで、ハタとひざを打って納得!っちゅうわけにはいかんかったところが消化不良をおこしたような気持ちで後味わるい。ポップコーンがずう〜っと歯ァにはさまって取れん!みたいな・・・。
 LEっていう「人間を冷凍にして夢を売る会社(なんじゃ、そりゃ)」が出て来たんで、話が突然SFになってしもて、それまでのサスペンス・タッチがふっとんでしもうた。最後まで心理サスペンスで行ってもらわんと、あれではアカン。ゆめ落ちっちゅうのは、最悪のオチでっせ。
 こんがらがったヒモを、きちんとほどいていくのが好きな人にはお薦め?

 自動車事故(無理心中)で大怪我をしたトム君の、見るも無惨な顔は、ちょっとひくぐらいスゴイ。ハンニバルやがな、あのマスクはー。
 キャメロンちゃんみたいにセックス中に大笑いされたら、男はやってられんのう。そのキャメロンちゃんでも、ペネロペちゃんと比べたら根性悪そうに見えるところがペネロペちゃんの美貌の凄さやね。
 まったくアクションのないカート・ラッセルゆうのも珍しいでしょう。
 ディランのジャケットのネタは、その瞬間に見抜いたったでー!!

 ニューヨークのタイムズ・スクエアを「貸しきり」にして撮影したという「無人のニューヨーク」のシーンは無気味でよかったで。これだけで☆ひとつ分はある。

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●●Movie No.54●●
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GMK 大怪獣総攻撃 ☆☆☆☆ 2001.12/15
 

 初日の舞台挨拶っちゅうもんを初めて経験した。感動や。金子修介監督が目の前にいた!一番前のドまん中の席やもん。ほんまにドキドキした。だって、あのガメラ3部作を撮った監督やで。ほんまに感激やった。

 映画の出来は「ガメラ2」やった。これ、秘密はフィルターにあるんとちゃうかなあ。東宝ゴジラの撮り方とは決定的にちがうトーンやねんなあ。青!ちゅう感じの画面やねん。それと大谷幸の音楽。まあ、そんなマニアックなことを言わんと映画そのものを楽しみましょう。

 ほんまに楽しめる映画です。昭和29年の初代ゴジラから50年、日本の防衛軍は平和ボケしていた。その緊張感のない日本を再びゴジラが襲う。通常兵器では全く歯が立たなかった防衛軍にはなすすべもない。しかし、日本には護国三聖獣のバラゴン・モスラ・ギドラがいた!なんというむちゃくちゃな設定!しかし、金子監督の独特の語り口で、なんとなくリアリティが・・・。

 バラゴン対ゴジラの肉弾戦はすごい!これぞ、怪獣プロレス!手に汗にぎる大迫力!これだけでも1本映画が撮れる大決闘!死闘!これはすごい!ギャオスにもレギオンにもイリスにも出来なかったこと!
 それに比べると、対モスラ戦、対キングギドラ戦はやっぱり難しい!残念なことに、モスラは空からの攻撃では迫力がないし、これといって武器もない。ギドラはクビがじゃまで肉弾戦にはならない。例によって、モスラはすぐやられて、自分のパワーをギドラにあげる。このへんはガメラ2の「不思議なマナの力」を連想させます。すると、まだ成長しきってなかった千年竜王ギドラが復活!無重力光線をはけるようになる。でも、そのギドラのパワーもゴジラに吸い取られて、あえなくダウン。

 そこへ登場する宇崎竜童!この人のつたないセリフがなぜか軍人くさくてよかったな〜。スラスラしゃべれる軍人って逆に変やもん。これぐらいのヘタさが妙に合ってた。特攻精神でゴジラの口から体内に入ってミサイルをボーン!すごい!そういう手があったかー!やられたー!まいったー!

 これ以上続けるとどんどんマニアックになっていきそうやから、この続きはゴジラのページへつづく!ということにしよう。
 それにしても、過去のゴジラ映画、ガメラ映画のオールスター出演で、それを見つけるだけでも楽しい、楽しい!しかし、採点は厳しく、ガメラ2には勝てん。

 抽選で当たるはずだったゴジラの皮膚!欲しかったー!ハズレやったー。くっそー。ちくしょー。くれー!!

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●●Movie No.53●●
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スパイ・ゲーム ☆☆☆☆ 2001.12/9
 予告編見たら「レッドフォードも年、いったなー。しわくちゃやん!しわ、深っ!」と驚くほどのシワ!目から頬から口元からアゴまで、顔じゅうシワくちゃじじい。もともと美男子(追憶を見よ!)だったから、こんなふうに年とってしもたら、終わりやなあ。せやから、監督業に精出してたんやな、と納得。
 同じジジイでもイーストウッドのじじいぶりは許せるけど、レッドフォードはジジイになったらアカンやろー。出演としては「モンタナの風にふかれて」以来4年ぶり?ジジイのCIAってのもパっとせんでー。

 と思って見たら、レッドフォードしぶい!!しぶいッス!

 ストーリーを簡単に言えば「中国に潜入したCIAのブラピが単独行動して捕まりよる。それを、昔ブラピを育てたレッドフォードが助け出す」という単純な話。でも、さすがに御老体が御自ら中国へ行って派手なアクション見せるんとちゃうでー。レッドフォードも今日で退職というその日、たった一日では助けに行かれへんから頭脳戦や!今までのノウハウとコネを総動員してのミッションや!
 そのミッション名(「砂漠の嵐作戦」とかゆう、あれ)が、ブラピとレッドフォードの友情というか師弟愛というか、2人の男の絆やねんなあー。泣かせるねえ。ホロっとくるねえ。

 しかし、時節柄、自爆テロとかイスラエルとか特殊部隊とか、やばいシーンの連続で、かなりなまなましい。単純に映画やとは思えんけど、あと味、さわやかなのはなぜ?やっぱ、トニー・スコット(クリムゾンタイド)の緊張感ある映像のせい?これは、きっちり、ヒットしてもらわんと納得いかんでしょう。なんとかゆう「タナからポッターもち」みたいなんとはちゃうで。

 懐かしいジョー・ウォルシュの「ロッキー・マウンテン・ハイ」が聞けるのもウレシイかも。

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●●Movie No.52●●
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ハリー・ポッターと賢者の石 ☆☆ 2001.12/1
 ものすっごい評判と最近まれに見る人出で、かなり期待しながらも「コケる」予感を胸に見て来ました。

 ストーリーはわざわざ書きませんが、前半・魔法使いのMr.ポッターが自分の力に気付かずに11才になるまでと、後半・ホグワーツ魔法魔術学校へ入学して、自分の両親を殺したという闇の魔法使いヴォルデモートと対決するという構成です。

 セットや小道具やメイク、衣装、画面の雰囲気作りは完璧と言えるぐらいの「作り込み・凝り方」で、ぐいぐい物語の中に引き込まれます。ソニーとILMのCGもすばらしいです。映像の魔術には完全にはまっちゃいます。ただ、どっかで見たようなという感じもありますがね。

 主人公のポッターくんは普通の生活してるときはちょっと可哀想なとこもあったkど、何にも苦労も努力もしないで、最後のボスとの対決にいっちゃうのが、あっさりしすぎ。ロンとハーマイオニーとポッターの3人組も、悪役のドラコ君ともっといろいろ確執があってもいいのに、あっさりした関係やし。へんな魔法スポーツ(クィディッチ)も、へんなルールやから、たいした盛り上がりもないし。4つのクラスに競争させてる仕組みも変やし。160分は子どもにはキツいし・・・。

 原作は読んでないから、もっとほかにもエピソードがあったんかもしらんけど、ファンタジーとしては「ゆうほどたいしたことない」のとちゃいますか?こんな程度やったらトールキンの「指輪物語」のほうが期待できそうやわ。

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●●Movie No.51●●
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エヴォリューション ☆ 2001.11/11
 まあ!なんて、しょーもない映画なんでしょう!出てくるヤツはみーんなオバカだし、出てくるエイリアンもオバカっぽいし、オバカ映画の見本ですがな。

 だいたい『Xファイル』のモルダーも『ハンニバル』のクラリスも、もっとかしこいはずやのに、ほんまにマヌケそのもの。ジュリアン・ムーアなんて、しょっちゅうコケるというドジで変な性格。全然似合えへん。こけた時にチラリと下着が見えるのもあんまりうれしくなかったで。あんなショットでファンサービスのつもりかいな!安っぽい監督やで。

 えげつないスピードで進化をとげるエイリアンをやっつける特効薬がシャンプーだったなんて、『マーズアタック』の火星人はカントリーに弱いという設定には負けてるしね。

 笑えるシーンがいっぱいあったから☆は一つだけついてますが、映画館まで行って見るほどの映画ではありません。特撮もびっくりするほどのもんはありません。どうせ「おバカ映画」にするなら、もっとコテコテのお笑いにするべきやったね。

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