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ここは独断と偏見による映画評のコーナーです。
映画館で見た映画だけにしぼってあります。
ネタばれもありますので、まだ見てない映画のレビューを読む時は気をつけてください。
☆は5つが最高です。

●●Movie No.130●●
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ゴジラ×モスラ×メカゴジラ〜東京SOS〜 ☆☆☆ 2003 Dec.
 久しぶりに主人公が男で、これは期待できるかな?と思ってた。だって、最近のゴジラは前作が釈由美子、前々作が新山千春、その前は田中美里で、ゴジラ映画の主人公が女になってから「ストーリーの面白さ」は全くなくなったもんね。楽しみなのはゴジラの動きだけ。
 ところが今回は男、それもメカゴジラの整備士やっちゅうから「男っぽい、男臭い」ストーリーを期待してた。ところが出て来たのは金子昇っちゅうナヨ〜っとした兄ちゃんで、全然、整備士らしい油臭さがない。お前、毎日髪の毛洗ってリンスしてるやろー!っちゅうようなヤツ。これではゴジラと合わん。

 案の定、ゴジラは出て来ても全然暴れまくらず、暴れたら髪の毛乱れるわってな調子でメカゴジラの攻撃を甘んじて受けるのみ。モスラの攻撃にも「アンタと戦うのは倉田浜以来ね。お久しぶりー」ってな調子で適当に戦ってるフリしてるだけ。ゴジラの怖さも凶暴性もなんにもあらへん。君も弱っちくなっちゃったねー。来年、50になるんかー。まあ、しゃーないかー。

 しかし!特撮はがんばってた!本編がしょーもない分、特撮には目を見張るものがたくさんあった。なにしろ「CGにはたよらないぞ!」という現場の意気込みがガンガン伝わって来た。特撮班でやれることは全部現場でやっちゃえー!ってな感じで、往年の円谷特撮を彷彿とさせるシーンの連続。これは見に行く価値あり!64年の「モスラ対ゴジラ」からパクったシーンが楽しい!

 で、そのモス・ゴジを復習して見たら、これがホンマに素晴らしい!こっちは文句なしに☆☆☆☆☆だった。

 女が主人公でもガメラみたいに面白く出来るはずなのに、なんでかな〜?

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●●Movie No.129●●
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ブルース・オールマイティ ☆ 2003 Dec.
 ジム・キャリーと「ライヤー・ライヤー」の監督が久しぶりに映画作ったゆうから、こっちとしては「泣き笑い」の妙が冴えたいい映画なのかなーって期待したけど、もひとつー!

 モーガン・フリーマンの神様はなかなかよかった。あるときは床掃除のオッチャン、あるときは電気配線工事のオッチャン、でも真っ白なスーツ姿で現れるとちゃんとした神様。なんだってー!とんでもない!私ゃ神様だよ!

 自分のことしか考えない自分勝手なテレビマンが自分の不運を神様のせいにして神様の悪口をいっぱい言うから「ほんならお前やってみぃー」になって、ジム・キャリーは神様のパワーをもらうんやけど、やっぱり自分勝手な性格は治らず、恋人にも愛想をつかされる。さて、神様でも自由にならない「人の気持ち」をキャリー君はどうやって修復するんでしょうかー・・・。

 ところが全然グっとくるところがない。細かいギャグはもうええから、きちんとしたストーリーで迫ってきてよー!あかんで、キャリーさん、もうこんなんばっかり作ってたらー。

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●●Movie No.128●●
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フォーン・ブース ☆☆ 2003 Nov.
 S.W.A.Tでカッコいい兄ちゃんをしてたコリン・ファレルが、口先だけの業界人で実はアカンたれの人間やったーっていう役。案外、うまいじゃん。

 ニューヨークに残る最後の電話ボックスで起きるケッタイなお話。電話を切ったら殺される!みたいな話やねんけど、舞台がホンマにその電話ボックスから一歩も外へ出ない!ロケはそこだけ。撮影もそこだけ。ひょっとして1日で出来上がったんとちゃうか〜?っていうぐらい。

 電話をかけて来た犯人の動機がもひとつ???だからどうも説得力がないんやなー。そんなことぐらいでここまでする〜?っていう感じでさー。標的にするほどの人物でもないやん、これぐらいの「悪さ」してる男、なんぼでもおるやろー。たまたま選ばれちゃったコリン・ファレルの「ただの災難」やんかー、こんなん。そのくせにラストで、裏切ったはずの奥さんと簡単に仲直りしちゃってさー。そんなんインチキでしょー。

 精神科へ通ってたという設定の警部(フォレスト・ウィッテカー)も、そういうキャラ設定が関係なかったしー。うん、もひとつですわ。

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●●Movie No.127●●
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ラスト・サムライ ☆☆☆☆☆ 2003 Nov.
 こんな日本、おかしいじゃーん!っていうガックリ・シーンはかなり少ない。そりゃあ細かいことゆったら、あるわ、あるわ、これでもか!って出てくるけど、それまでの感情移入をバッサリやられちゃうほどのドギツイ変さはない。だから、十分、どっぷりと映画に入り込める(はず)。

 安心して映画に漬かっちゃうと、トム・クルーズと渡辺謙、真田広之のそれぞれのカッコよさとか潔さとか志の高さとかがグイグイ来て、アメリカにこんな時代劇作られちゃうようでは邦画も負けやねって実感。

 殺陣(個人戦での)も集団戦(合戦)も迫力はすごい!圧倒される。なんであの大迫力が邦画では出せんのか?合戦シーンではなぜかグラデュエーターを思い出した。しかしトム・クルーズ、先頭切って突っ走るなんて、ちょっとやりすぎ?カッコええから許すけど。

 お侍さんの時代っちゅうのがちょっと時代考証間違ってるけど、日本人にとっての「理想郷」のように描かれてて、へー、あの時代ってこんなにいい時代だったのかーって逆に説得力あったりして不思議。とにかく、見てるボクらが「日本人」のはずなわけで、それなのに、そうかー、日本人ってこんなに素晴らしい民族なんだなーと感心してしまうのが可笑しい。

 久しぶりに涙が止まらん映画だった。まさに瀕死のガメラがそれでもレギオンやギャオスの大群に向かっていく、そんな最後のサムライの気高いスピリットに文句なしに感動してしまった。

 心配してた小雪というモデル上がりの女優?とトム・クルーズとの見たくないシーンは、ギリギリのところで踏みとどまってくれて、見ずに済んだ。あー、よかった。もし、そーゆーシーンがあったらガックリきて映画の評価も下がるところであったー。

 (その2)2回目を見て・・・

 あの柔らかい稜線の山ってどっかで見たことあるよなー、どこだっけ・・・。そうだ!これは「指輪物語」のロケ地、ニュージーランドだ、きっと!そう思ったら、富士の裾野のシーンも勝元の村のシーンもまさに「ロード・オブ・ザ・リング」と同じに見えて来た。オフィシャルHPにもロケ地のことはのってなかったけど、たぶんそうですよ、これは。

 ハンス・ジマーの音楽、うまいこと日本的な旋律もちょこっと入れて、いつもの「メロディー重ねて重ねてこれでもか!攻撃」で感動的にしてるよなあ。うまいわー、やっぱり。これはサントラ欲しくなるね。

 あの小雪の子供二人はめっちゃ演技が自然でうまかったなあ。ええなあ、子供のくせにトム・クルーズなんかと仕事できて。

 姫路にロケに来たのは一瞬やったのに、雪降らせたり、桜咲かしたり、どないしたんやろ。すごいわ。ハリウッドの技術はすごいわ。

 アメリカでも12月公開やけど、日本映画みたいなこの映画がどれぐらい受け入れられるのか興味あるなあ。アメリカでのポスターは漢字(武士道!勇!忠!礼!など)をばんばん入れて「日本趣味」まるだしやから、なんや分からんけど「日本的」やーゆうて評判になって、また漢字のTシャツとか入れ墨とか流行るんやろか。

 2回見てもやっぱり泣くとこはいっしょやった。2回見ても泣けたということはやっぱり映画として成功してるゆうことやんなー。これはかなりヒットしまっせー。

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●●Movie No.126●●
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マトリックス・レボリューションズ ☆☆☆☆☆ 2003 Nov.
 おもしろーい!カッコいいーっ!楽しめるー!

 2では「マトリックス哲学」のウンチクがうるさすぎてダルいところもあったし、ザイオンのシーンの「なんで?」が引っかかったりしたんやけど、今回の3は、そういうまどろっこしさが少なくなって、単純に楽しめた。

 見せ場は2つ。

 まずザイオンでの「死闘」。ミフネ船長、カッコよすぎ!まさにミフネと名付けられただけのことはある。世界の三船敏郎を意識してのネーミングやと思うけど、日本人!ド根性!神風特攻精神!気合い一発!というキャラが大成功。2でもこんなキャラやった〜?
 しかし、あのモビルスーツ、乗ってる人間が無防備すぎる。設計者!出てこい!文句ゆうたる!

 そして、ネオ対スミスの一騎討ち。なんでタイマンなん?そのタイマンを何万というスミスがじいーっと見てる〜〜!ドラゴンボールZまるだしのアニメアクションで笑いながら見てた。なんでまじめに見てられようか!ほんまにオモロイ。

 他の登場人物たちも3作目でやっとそれぞれのキャラの意味がはっきりしてきて、さすがに「完結」というストーリー運びでなかなか気配りも効いてます。でもオラクルの俳優さんが変わってたのは前作までの俳優さんが急死したかららしいんやけど、その理由をいろいろコジつける必要はなかったんとちゃうのん?それだけ気になったかな?後は気楽に大画面で繰り広げられるアニメワールドを堪能してください。ほんまにおもろいから。

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●●Movie No.125●●
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リーグ・オブ・レジェンド  2003 Nov.
 これもアメコミの映画化。それもかなりマニアックなアメコミらしい。「荒唐無稽」をまさに絵に描いたような「そんなんあり〜?」的な映画。そんな映画にショーン・コネリーが出てるんだからってんで見たけど、あちゃー、出ない方がよかったかもね。

 ストーリーがストーリーなだけにCGに頼らなしゃーないんやけど、あまりにもおもちゃチックなCGでガックリ。別にリアルにするだけが能じゃないけど、あまりにもバレバレ・・・というかチープすぎて・・・。(キル・ビルの飛行機がモロ・プラモデルやったのは笑えたけど、ノーチラス号のCGは笑いを通り越していた。)

 ジキルとハイドって「超人ハルク」やったん?とか、ネモ船長はどこでカンフー習ったの?とかトム・ソーヤーって銃の名手なんて設定どっから出て来たん?とかドリアン・グレイって誰?とか女バンパイアが紳士同盟(THE LEAGUE OF EXTRAORDINARY GENTLEMEN)に入れるのはなぜ?とか透明人間ヒゲ剃れよ!とか・・・つっこみだしたらこれもキリがない。

 だーめだ、こりゃ。もしもヒーローたちが集まったら・・・というドリフのコントの方がおもろいで。

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●●Movie No.124●●
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キル・ビル なめとんかー! 2003 Nov.
 サイテー!と叫びたい映画。クエン酸脳足らんチーノの第四作!

 なんじゃーこりゃあー!というシーンの連続。つっこみだしたらキリがないほど。さらにどっから探して来たん?というような選曲で摩訶不思議な音楽がバンバン流れる。極め付けは梶芽衣子!参ったー!

 詳しく書く気も起こらんが、世間が騒ぐ程の「メジャーな映画」じゃないよ。(そのつもりで作ってるから確信犯やけどね。)それでも気になる人は見に行ったらー。

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●●Movie No.123●●
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ティアーズ・オブ・ザ・サン ☆☆☆ 2003 Nov.
 内戦下のナイジェリア。救出作戦をルーティンワークのようにこなしているシールの大尉、ブルース・ウィリス率いる小隊に命じられた次の作戦は「女医救出」。ところがこの女医さん、難民たちと一緒じゃないとイヤ!って言う。一度は女医さんを救出ヘリに乗せたものの、負傷した難民たちが皆殺しにされるのを見た大尉はヘリを引き返させて難民たちと共に国境を越えようとする・・・。

 なかなか重いテーマをもった映画やけど、予想以上によかった。「世界が泣いた」とか宣伝で言われると眉唾やけど、泣かせるシーンもあり、ドンパチのリアルさもあり、宗教や民族間のもめごとの「どっちがええもんなん?」という複雑さもありで、映画としてちゃんとしてる。ハンス・ジマーの音楽も分かりやすく効果的。

 でもね、今、こういう映画見せられると「ちょっとねー」って感じ。ブッシュがやってる「アメリカ騎兵隊」的な正義の押し売りには全世界が「?」って思ってるわけでしょ。そういう疑問に対するネオコンの答えがこれ!っていうプロパガンダ的なストーリーになっちゃってるのよね。う〜ん。

 女医さんのモニカ・ベルッチは「マレーナ」の超美人やけど顔ドロドロにして鼻血まで流してかなり汚れ役に徹してたけど、胸見せ過ぎ!ジャングルの中を逃げてる時にそんな色気いらんでしょうが。戦争してるのに大尉とラブラブっぽくなっちゃうのもいやらしいぞ!

 それにしても民族やら宗教やらが絡んでもめてる国ってなくならないよなあ。あーゆー国って「民主主義」が根付かないようにできてるのかなあ。そんなん考えたら日本ってアホほど平和やでー。

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●●Movie No.122●●
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マッチスティック・メン ☆☆☆ 2003 Oct.
 ニコラス・ケイジは潔癖性の詐欺師。カーペットの繊維の逆毛?なんかも気になるぐらいの神経質ーな潔癖性。そのわりにはタバコの吸い殻とか灰とかのきたなーいのは全然気にならないらしいけど。
 そんな詐欺師が弟子の話にのってヒトヤマ儲けようとするんやけど、精神科医の先生のおかげで別れた奥さんの子ども(娘)と再会。その娘も詐欺の大仕事に巻き込んじゃって、ハラハラさせながらも仕事はうまくいったように見えるんやけど、突如、段取りが狂って・・・。
 あちゃ〜と思ってたら、なんと○○も○○も○○も○○もみーんなグルで・・・と「大ペテン」が裏にあったのだーというおもろいお話。
 これは脚本の勝ち!

 大作じゃないけど、へぇ〜とうなっちゃう一本です。だまされても気持ちいいです。
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●●Movie No.121●●
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S.W.A.T. ☆☆☆☆ 2003 Oct.
 これは男の子なら絶対に喜ぶ映画。見終わった瞬間「カッコいぃ〜っt」って単純につぶやいちゃった。うん、ホントにカッコいい。

 いきなり冒頭のシーンで「この映画はコイツとアイツの対決やねんなー」と先が読めちゃうんだけど、その通りに話はすすんで、見せ場もいっぱいあって、めでたく二人の対決シーンもあって、思ったとおりにストーリーは完結する。見ていて安心。ド派手アクションを楽しめて、難しいことは一切おまへん。

 なにしろスワットがカッコいい!銃器、火器がカッコいい!スコープをのぞく姿勢がカッコいい。
 子どもの頃から「てっぽ」で遊んできた男の子なら誰でもあこがれる。物陰にひそんで犯人を狙うスナイパー。機関銃をバリバリぶっぱなしながら走りぬけるスリル。短銃を左腕でささえながら撃つポーズ。もう、そういう憧れのアクション満載だから「なつかしの涙」で頬も濡れるというもの。

 サミュエル・ジャクソンが「シャフト」ばりのカッコ決め決めで楽しいですよ。男子諸君!見に行くのだ!女の子は連れて行っちゃダメよ!帰り道は完全にスワット気分になりますから。

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