50音順『ア行』

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裏切り者

■2003/07/01 (火) 裏切り者(2000)

 なんちゅうベタな邦題じゃ!ははーん、誰かが誰かを裏切るんやーってバレバレじゃん。
 オリジナルは The Yards ゆうて電車とかの操車場のこと。ニューヨークの地下鉄の車両受注にからむイタリア系の企業(ほとんどマフィア)と族官僚の汚職を、殺人事件とからめて描く!
 そのわりにはサスペンスもアクションもなく、ぜーんぜんスカっとしない映画。くら〜い、救いようがな〜い、誰も幸せにならな〜い、という物語。だめー!
 前半はフランスっぽい雰囲気で「シシリアン」とかの感じやったのに、後半は話がドドーっと流れて行ってしまった。がっくり。

 マーク・ウォルバーグ→ぼっちゃんタイプだから悪いことしそうにないじゃん。猿の惑星に出たからか顔がおサルさんっぽいのよねー。
 シャーリーズ・セロン→化粧しすぎの役で可哀想。もっときれいでー、この人。スイート・ノベンバーではもっときれかったのにー。
 フェイ・ダナウェイ→まだ現役かいなー。すごいなー。しかし昔とほとんど顔変わってないのはどーゆーこと?
 ジェームズ・カーン→いい俳優さんですねー。ちょっとマフィア系というかそーゆー貫禄ばっちりの人ですねー。
 ホアキン・フェニックス→グラディエーターのねたみそねみ王子と同じような役柄だったから「また〜?」って感じ。でも善人の顔じゃないからしゃあーないか。
 エレン・バースティン→このお母さん役の人って「エクソシスト」のあのお母さん?
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ウーマン・オン・トップ

■2003/03/09 (日) ウーマン・オン・トップ

 かわいいかわいいペネロペちゃんの映画だけど、はっきりゆうて、しょーもない!出てくる料理も全然おいしそうじゃないし。料理とかチョコレートとか、そういうテーマで癒し系の映画が流行ったから、こんな映画ができたんとちゃう?どーでもええがなっちゅう感じ。
 呪いがどうのこうので海の神様に料理の捧げもんをしたりするのも訳わからんし、潜ってみたらホンマに女神さまがおるっちゅうのもアホらしいし。
 なんぼペネロペちゃんがいっぱい映っても映画がおもんなかったらしゃーないね。
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海の上のピアニスト

■2003/02/19 (水) 海の上のピアニスト

 ピアニスト対決は「戦場の」よりも「海の上の」が勝ちました。

 「ニュー・シネマ・パラダイス」の監督作品。は〜ん、同じようなタッチ。こういう雰囲気の映画は「あそこがおかしい」「あれはどないなっとんじゃ」「あそこはツジツマがあわん」とかいう文句が言えない。どーっぷりとファンタジックな世界に浸りきってしまうしかない。

 船の中で赤ん坊を拾った、あのダニーという黒人。あの顔に見覚えあり。いろんな映画に出てる人やで、あの人。なんちゅう人??何に出てたかサッパリ分からんけど、なんかシランええ感じや。

 それとチラっと登場する女の子。たぶん有名な人とちゃうやろうけど、1900がピアノ弾いてるとこのマドからスッピンの顔でのぞくシーン。心臓にグサーっときたわ。めっちゃええ!その子のお父さんっちゅうのが、アコーディオン弾いてた「海の声」を聞いた人!っちゅうのがドラマや!

 こういうドラマが「戦場の」にはなかったのよね。

 淡々と見ていてジワーっとくる映画でした。
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アメリカン・ビューティ

■2003/02/23 (日) アメリカン・ビューティー

 レビューにも書いたけど、この映画、見る人の経験なり生活なりによって、見方が全然違って来るやろね。だから、アカデミーなんてもらうのは不思議、不思議。アカデミー選考委員の人らは、この映画のいろんなエピソードが「身につまされる」んやろか??

 ケビン・スペイシーがウエイト・トレーニングとかジョギングとかやりだす原因が娘の友達の一言「強くなったら抱かれてもいい」ってのは、いろんなことにあてはまるよ。
 人間、何か始めるとき、今までやってないことを始めるときの「動機」なんて、そんなもんやで。

 だから、普遍的なんかな??だから映画になるんかな??ちゃんと「映画」になってるもんなー。お気に入りの1本です。
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アクシデンタル・スパイ

■2003/01/06 (月) アクシデンタル・スパイ

 ジャッキー・チェンの香港映画。ハリウッドで撮った映画では、コミカルすぎてバカ扱いされてるのにハラをたてたのか、この香港映画は真面目にやってるような気がする。
 でも、カンフー・アクションはいつものおとぼけギャグの連発で、そうそう、このバカらしさがジャッキーらしさなのよと安心。

 ところが、生物兵器テロみたいな込み入った話だけでは映画が成り立たず、途中から「スピード」のパクリになって、突然盛り上がる。ここはいかにも香港映画??バカにしたらあかんかな?最後に登場するヘリコプターのオッサンも、一応布石はうってあったけど、唐突すぎやし、ストーリーをとやかく言える映画じゃないね。

 ビビアン・スーが真面目な顔してシリアスな役をしてたけど、アンタ、ウっちゃんナンちゃんに出てたときとキャラちゃいすぎやがな。まあ、かわいから許すけど。

 まっ、ジャッキーの映画ってこんなもんでしょう。
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アザーズ

■2002/11/19 (火) アザーズ (The Others)

 ゴシックホラーってこういう雰囲気を言うんだろうなあ。画面はいつも薄暗くてセピアがかってて、家の雰囲気も家の中の家具もなにやら中世風で、外は全くの霧の世界で視界ゼロ!カーテンがいつも閉まってて、ジメーっとしてそうな大きな館。
 その館の女主人が美女ニコール・キッドマン。ケバケバなイメージの強い人だけど、こういう上品な奥様もイケてるがな。この人の美しさは「罪」と言えるぐらいのもんですね。真っ白な肌と金髪!うぉ〜〜!

 で、恐いかと言うと、一回だけ飛び上がる程びっくりした場面があったけど、「謎のお化け」の正体をつきとめられないかと必死で画面から情報集めてたので、あんまり恐くない。
 おいおい、この使用人の3人って、人間とちゃうんとちゃう?こいつらが幽霊なん?他にもおるんやろ?はよ、出て来いやー!・・・と、思ってたら、ジャーン!『ネタばれ』です。まだ見てない人は読んじゃダメー!

 なんとなんと、見えない人物が紙をビリビリー!なーるほど、こっちが幽霊で、あっちが人間だったのね。これって「逆・シックスセンス」だったのね。なーるほど。・・・と、後味が案外いい感じの「パクリ」でした。

 しかし、人間サイドから見てみると、開けても開けても閉められるカーテンとか、開けても開けても閉められるピアノとか、開けても開けても閉められるドアの鍵とか、めっちゃ迷惑な話で逆に恐かったでしょうねえ。引っ越していくのも当然やわ。

 しかし、ニコール・キッドマン、きれいやなー。タイプじゃないけどね。
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エイリアン3

■2002/10/10 (木) ALIEN3(1992)

 監督のデビッド・フィンチャーといえば「セブン」「ゲーム」「ファイト・クラブ」「パニック・ルーム」と、独特のカメラ目線(視線)でゾ〜ッとさせてくれる人なんだけど、このいわゆるデビュー作では、その視線がエイリアンの視線になっていて、どうも分かりにくいだけで終わってるみたい。

 宗教かぶれの囚人たちを映すシーンとか説教たれてるシーンとか、ほほう!なるほど!とうならせるカットもあるんやけど、結局はエイリアンを溶鉱炉に追い込むために「おにごっこ」するとこは「一体、何が起こってるんか」分かりにくい。

 それにしても、この暗さは何?というぐらい暗い映画。画面自体は暗くて見えないというほどではない(恐怖モノではよくある。暗いだけで何やってるんか分からん映画。)けど、全体を覆うムードがエラ暗!

 シリーズ中ではエイリアンが浮き過ぎのような(貼付けって分かり過ぎ)という感じで、特撮面でももひとつ。

 結局はリプリーのお腹にエイリアンの赤ちゃん!という設定のおかげで、はは〜ん、リプリー、死ぬ気や!って分かっちゃうし、最後のシーンはターミネーター2で見たことあるし、盛り上がりに欠けるのよね。

 だから、評価も低いんでしょう。しゃーないね。3作目だもんね。まあ、そんなもんでしょう。
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アヴァロン

■2002/08/03 (土) アヴァロン (2000)

 押井守といえば、ヤッターマン、ガッチャマン、うる星やつら等を手掛けて来た演出家。それがブームにのって、パトレイバーとか攻殻機動隊とか監督やりだして、いわゆるオタクにはもてはやされる立場になっちゃった。
 99年に「人狼」そして2000年がこれ。

 どっちもコケた!どえらい予算使って作れるっちゅうのが、よう分からんとこやけど。なんでこんなオタッキーな映画に金を注ぎ込めるんでしょうねえ。なんぼ儲かるっちゅうねん?

 話はマトリックスみたいなバーチャルの世界で「戦闘ゲーム」やってて、強くなると稼げるっちゅう話。ほんで、ウラ面があるゆうんで、そこまでたどりつくと、現実世界とは違う理想的な世界があって、そこで「精神」だけが暮らせて「肉体」は廃人になっちゃうのよ。

 なんじゃ、それ!って感じ。

 こういう話にはついていけないわ!おもしろくなーい!アニメでやったらええもんを、わざわざ実写にして何かええことある??

 脚本は平成ガメラの伊藤和典でしたが、分からんわ。
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オーロラの彼方へ

■2002/05/12 (日) FREQUENCY(2000)

 30年の時の流れを超えて、未来の国からやってきた。流星号、応答せよ!流星号!ようし、来たな。行くぞ!・・・じゃないっちゅうねん。30年の時を超えて、父と子が無線で話せる!感動作かと思いきや。なあんと、タイムパラドックスを無視した(ドラえもんも真っ青?もう青いってか?)過去と未来をめちゃくちゃにしながらも、殺人事件を解決していく父と子の警官版「巨人の星」!飛雄馬〜〜〜〜!とうちゃ〜ん!

 しかし、消防士と野球とCQ無線と殺人事件と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」かいな・・・。典型的なアメリカ映画やねえ。お気楽・極楽な展開。あまりにも歴史を簡単に変えすぎとるのが腹たってくる。そんなんありかいな?おとん死んだり、おかん死んだり、自分も殺されそうになったり。ほんで最後はみんな生きててハッピーエンド。けんか別れしたはずの女性ともうまいこといって子どもまでできてるがなー。

 殺人とかいう恐ろしい展開にせんと、もっと心あたたまるお話を期待してたのにホンマがっかりやった。あんな強引なエンディングでは誰も泣かれへんで。

 予告編とかキャッチコピーとかでは「感動」という感じで宣伝してたくせにぃ〜!
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あの頃ペニーレインと

■2002/02/18 (月) ALMOST FAMOUS(2000)

 1957年生まれのキャメロンクロウ監督の自伝的作品。
 まさしくあの、ロックが商業化、巨大化していくときの退廃的でありながらもパワーのあった時代。ボクは監督よりも2年前に生まれてたけど、アメリカのロックが日本に入ってくるのも2年おくれてたから、まったく同年代での出来事でめちゃくちゃ分かる話でした。

 音楽面では納得のいく話やねんけど、ウィリアムくんの成長物語としては、弱いですなあ。15才でローリングストーン誌のライターになるなんて、スッゲエことやろうけど、それって自慢??みたいな感じもする。なんやかんや言いながらも結局は成功する話やん。それって「ボクのサクセスストーリーを見てちょうだい」ってこと?そのへんがどうも納得がいかん。

 ケイト・ハドソンのペニーレインちゃんの視点で語ってるほうがよかったんとちゃうかいなあ。でも、どっちにしてもキャメロンクロウの自慢話に付き合わされたような、そんな感じでした。

 でも、懐かしいロックのおかげで☆は三つあげましょう。こういうのに弱いんですよ、ぼくは。
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インサイダー

■2002/01/27 (日) THE INSIDER(1999)

 アメリカの企業っていうのはタバコ産業から放送局、新聞社までいわゆる「系列」というのか「オーナー」っていうのか、なんせ誰の企業グループかってのがハッキリしてるやん。どっかの会社の社長は他にも会社をもってて、そのつながりが他の業界にまで広がってて・・・というような。
 この映画のCBSのティッシュ社長の家族にはタバコ会社を持ってる人がいて、そいつがB&Wというタバコ会社のある部門を買い取ろうとしていたという事実もあるらしい。

 というぐらいアメリカは企業どうしのからみあいが複雑。だからなかなか正義もとおらないってとこあるみたい。FBIでさえ、退職して大手の企業の警備部門なんかに天下りしてるそうやから、そういう企業に対しては捜査も甘いとかね。

 で、このインサイダーは実話半分らしいから、めっちゃリアル。普通の人が普通に大企業の脅しに怯えるところがリアル。めちゃくちゃ正義の味方っぽいとこもないからリアル。じっくり見ちゃいます。

 アル・パチーノもラッセル・クロウもいいですよ!

 しかし、ラッセル・クロウ博士のスッパぬいたネタというのが「なんや、その程度のもんかいな」という感じだったのが惜しいというか、残念というか、迫力不足というか、ちょっとね。
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生きてこそ

■2002/01/14 (月) ALIVE(1993)

 ホントにあった話。なんべん見ても感動しちゃう。なにせオール雪山ロケだから臨場感がちがう。「ヴァーティカル・リミット」のハリボテの雪とは全然迫力がちがう。寒さの感じ方がちがう。リアリティがちがう。
 死んだ人の肉を食べるという究極のサバイバルは見てるものを納得させる。きっと自分もああなったら食べるんだろうなーって。日本人はどうでしょうか?食べるでしょうか?宗教観のちがいもあるしなあ。どうやろ?
 しかし、この監督、あの超ダ作の「コンゴ」の監督やでー。信じられへん。でもこの映画はオススメできます。

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オール・アバウト・マイ・マザー

■2002/01/09 (水) ALL ABOUT MY MOTHER(1998)

 「オール・アバウト・マイ・マザー」は世界が感動した!とかゆう宣伝文句やったけど、感動するというよりも「なんでオッパイ大きくしたオカマ男とHして子どもなんか産むの!アンタの気持ちのほうが分からんわ!」という感じでした。

 名前はシランけど、ターミネーターのサラ・コナーそっくりのスペインの女優さんが主人公のお母さん。この人、めちゃウマイ。この人はええわ。こういう人こそハリウッドへ行って世界に名前を売らないかんで。ペネロペ・クルスも出てたけど、ただの姉ちゃんやった。
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エドtv

■2001/11/26 (月) ED TV(1998)

 エドゆうても「馬がしゃべる、そーんなバカな!」のミスター・エドとは関係おまへん。ってなギャグゆても、分かる人おらんかなあ。 

 これは意外!めちゃくちゃオモロかったで。普通の人を24時間テレビで映すというテーマが「トゥルーマンショー」と全く同じやし、なんや二番煎じかーと思われて?公開当時も全然話題にもならんかったけど、これはおもろい!

 なにしろ、監督がロン・ハワード。ロニーさんゆうたら、あんた、身代金、アポロ13、バックドラフト、コクーンそれにアメリカングラフィティでっせ。

 トゥルーマンショーの最後はジムキャリーがテレビ世界から脱出したとたんに、テレビを見てたオッサンが他のチャンネルに切り替えてしまって、「結局は一般大衆はそういうテレビを見たがってるのサ」というシニカルなエンディングやった。でも、「エドtv」の方は、エドがついにテレビの中継を打ち切らせたとき、テレビを見てる人も大喜び!というハッピーな終わり方にした。「テレビを見てるヤツらもそんなにバカじゃないのサ」とでも言いたげなこっちのほうが見終わったときに気持ちがいい。ほんわかする。

 しかし、エドをやってたマシュー・マコノヒーも、ほんまにふつうの兄ちゃんを好演してたし、でるわ、でるわ、意外なサポート陣。おや!スパイ大作戦のローランさん(マーチン・ランドー)、スピードのサイコ野郎(デニス・ホッパー)、アナバナナのジェナ・エルフマン(←最初見た時レニーゼルウェガーかな?と思った)などなど。

 まあ、この映画を見るまでもなく、アメリカでは「有名」イコール「グッド」やねえ。それでええんかいな???
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エイリアン2・完全版

■2001/11/23 (金) ALIENS(1986)

 好評やった映画の「2」が作られるけど、「2」のほうが「1」を越えてるのは、エイリアンとターミネーターと平成ガメラ。今日はそのエイリアン2の「完全版」。

 劇場公開版にはなくて完全版にはあったシーン。

1 回収されたリプリーが手当てを受けて、その後、自分の娘の消息を聞くくだり。リプリーの娘の話は後で出てくるレベッカ(少女)との会話でも出て来たけど、これもカットされてた。

2 上陸艇に海兵隊といっしょに乗り込んで行くとき、海兵隊魂の話をアポーン隊長がするところと、その後のハドソンの武器説明の悪ノリ。

3 LV426植民地の人々がエイリアンと遭遇した場面。レベッカの父親がフェイスハガーに襲われるんだった。

4 孤立したリプリーたちがバリケードを作って、自動監視銃(セントリー銃?)をセットしてエイリアンたちをくいとめるところ。

 などなど、ぼくの見たところ、12のシーンが完全版では復活していた。

 それにしても、エイリアン2はほんまにおもろい。☆☆☆☆☆!です。
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明日に向って撃て

■2001/11/04 (日) BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID(1969)

 69年のいわゆるアメリカン・ニューシネマの代表作といわれた名作。やっぱ、名作やわ。何回見ても、いつ見ても、ええもんはええ。
 あのBJトーマスの「雨にぬれても」が流れて、ポール・ニューマンがキャサリン・ロスを自転車の前に乗せて走るシーン。そして、その後の自転車の曲乗りに挑戦してコケるまでのシーン。ああいう「心にのこる名シーン」が最近の映画にはないのよね。
 最近のは、めっちゃハデな度胆を抜くような「これでもかー」という意味で記憶には残るけど、心にまでは届けへんというかね。
 断崖絶壁に追い詰められて、さあ飛び込むぞ!ってときに、ロバート・レッドフォードが言う「アイ・キャント・スイム」とか、夢の国だったはずのボリビアが着いてみれば「ドいなか」の国だったとか、言葉の通じない銀行強盗だとか。そういう一つ一つのシーンが、ほんまに心まで入っていきよる。
 最後には「絶対殺される」と分かっている外の世界へ飛び込んで行かざるをえない2人。次はオーストラリアへ行って、強盗をやろう!と夢見ながらも・・・心の中では「もうアカン」と分かっているんやけど・・・。キャサリン・ロスのセリフ通り「2人の死ぬところは見ない」ままで、映画は終わる。
 ほんまに名作や!☆☆☆☆☆!
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アンドリューNDR114

■2001/10/21 (日) THE BICENTENNAIL MAN(1999)

 「200年生きた男」ってのが原題です。アンドリューはロボットなのよ。だから、死なないの。なのに、200年しか生きなかった。それはなぜか?愛する人たちはみんな自分を置き去りにしてこの世を去ってしまう。でも、最愛の女性を見つけた彼は、その人なしでは生きて行けないと思い、死ぬことのできるロボットになり人間として死んでいく道を選んだ。

 「AI」よりよっぽどええ話や。

 しかし、ロボットが愛情をもつとか死ぬとかいう、こういう設定って、いっくらがんばっても手塚治虫には絶対に勝てないのよ。それだけ、手塚作品はすごいってこと!やっぱり手塚治虫は天才なのよね。
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アンブレイカブル

■2001/08/16 (木) UNBREAKABLE(2000)

 「シックスセンス」が噂が噂を呼ぶ大当たりをして気をよくしたナイトタマランじゃなくてナイト・シャマラン監督とブルースウィルスが組んで「二匹目のどじょう」をねらって作って、映画会社も「6センス」よりもこっちのほうがぁ〜って期待させる予告編を作ったりするから、ダメなんだよね〜。あの子ども役の子も、6センス君みたいに「こまった君」の顔を作ろうとしてたけど、こまった顔ではAI坊やにかなわんわ。

 これは逆にダンエイクロイドが主人公をやって、ストーリーはそのままに明るく朗らかな展開にしたらよかったんですよ。
 生まれてこのかた病気も怪我もしたことないという普通?のパパ(アンブレイカブルっちゅうのは「骨が折れへん」っていう意味)がだんだん自分の能力に目覚めてきてスーパーヒーローになっていく!それを憧れの目でみつめる子ども。壊れかけてた夫婦仲も円満。しかし、その能力を引き出したのは悪の権化ミスター・ガラスだったのだー!最後の対決はいかに?!っていう感じで。
 それで十分な原作じゃないの???

 しっかし、サミュエルジャクソンのあのズラはえぐいよなあ。
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アメリカン・ヒストリーX

■2001/08/15 (水) AMERICAN HISTORY X(1998)

 これはすごい!監督のトニー・ケイって、昔、イエスでキーボード弾いてて、その後リック・ウェイクマンに追い出されるようにイエスをやめて、バジャーというバンドを作ったトニー・ケイとは全然関係ないんですよ。ソロバンをしゃかしゃか鳴らして「アナタノオナマエナンテユノ?」ってやってたトニー谷とも関係ないんですって。そらそうやがな。

 監督は初めての人で、まったくの初監督作品。すごいわ!
 まあ、エドワート・ノートン(ファイトクラブ)と、エドワード・ファーロング(ターミネーター2)のほんまもんの演技がすごいから作品もすごいんやろけど、この監督の「捨てコマ」というか、なに?このシーン?っていうか、ちょっと見てる人に考える時間をあげようという、そういうコマというかシーンが、すごいわ!
 黒人差別の恐ろしい暴力的な映画だという先入観があったけど、全然そんなもんとちゃう。しょっぱなのセックスシーンで「これはヤバイ映画かな?」って思っちゃうけど、ちがうちがう!これはすごい!

 「怒りからは何もうまれない」

 これはすごい映画でした!見なさい!明日、レンタル屋に走りなさい!見なさい!絶対、裏切りません。
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イグジステンズ

■2001/07/01 (日) eXistenZ (1999)

 「マトリックス」ではバーチャルな記憶が首の後ろのプラグからインプットされていたでしょ。テレビゲームのコントローラーをそのプラグに差し込んだら、まさに鉄人28号のようにリモコンで動くロボットになるのか?はたまた、ゲームソフトを入れたPS2みたいなもんをそのプラグに差し込むと、自分がゲームの中で活躍できるとか。そのプラグが背中にあって、直接せき髄の神経系にアクセスしてゲームをバーチャル体験できるようになった時代の話が「イグジステンズ(1999)」という映画です。映画自体はショーモナイB級ホラーでした。デビッド・クローネンバーグとかいう監督のエログロなねちゃねちゃした映画。
 でも、ゲームも今からどんどん進化して、こういうふうになるのかも?って思ってしまうところが恐いね。

 ユニバーサルスタジオじゃないけど、体感っていうのがキーワードやん?今の娯楽は「体感」やん。映画だって、アクションものとかスピードもんは「体感」やし。ドワーっとこっちへ何かが飛んでくるとか、火の中へ飛び込んで行くみたいなんとか、自分もその場面にいてるみたいな錯角に陥るような、そんな作り方やし。
 それって「体感」やろ?ってことは、近い将来、もっとそれが進化して、もっとリアルな体感を求めて、痛みや熱さや、そういう感覚をも体感できるような娯楽が生まれるンやろなあ。
 って考えたら、「イグジステンズ」みたいなバーチャルなゲームが出来ても不思議じゃないもんね。これって、恐いで。
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エイリアン

■2001/06/18 (月) ALIEN(1979)

 「エイリアン」の主演女優のオーディションを受けに行ったとき、シガニー・ウィーバーはあんまり乗り気じゃなかったそうです。そのころの彼女は舞台で活躍中だったし、脚本も気に入らなかったんだそうです。それで、オーディションでは「やる気のない」態度で返答してたのに、監督のリドリー・スコットがそれを逆に気に入ってしまって、わざわざ脚本を持ってシガニーさんを訪ねて行ったそうです。

「あの〜、わたし、今度エイリアンの監督をするリドリーというもんですが・・・」
「エイリアン??ああ〜〜ん、あの訳の分からん宇宙人みたいなのが出てくるヤツね。」
「それってクリーチャーっちゅうて、ギーガーさんにデザインしてもろたんですけど・・・」
「ギーガーだか誰だかシランけど、あんな本、英文学専攻の私にとっちゃあ、ちゃんちゃらおかしくって。」
「まあ、そないゆわんと、もう1回読んでくださいよ〜。」
「だーかーらー、オーディションのときに読んだってばー。」
「ちょっと変えてみたんですよ。ラストのシーンでは、もう全裸はやめましたから。パンツはいててもOKにしたんで。」
「そーゆーことじゃなくってぇ〜。」
「いやいや、そういわずにお願いしますわ〜。はい、これ新しい本です。」
「あれぇ??今度のは絵入りやん??」
「はい、コンテ書いてみました。」
「絵入り・・・。絵入りやん。エーイリヤン。エイリアン?エイリアン!!」

ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい!!

 ぼくは2作目の「エイリアンズ」が一番好きです。
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