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ここは最近買ったCDについて文句を言うコーナーです。
こういうのは完全な趣味の世界ですから、買うときの参考にはなりませんのんで、あしからず。

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ローリング・ストーンズ "フォーティ・リックス"
ROLLING STONES "FORTY LICKS"
 なにがすごいゆうて、このベストアルバムはレコード会社というかレーベルというか、そういう難しい問題をあっさりと解決させてしまうローリング・ストーンズという存在の大きさであります。

 1曲目の「ストリート・ファイティング・マン(いや〜、久しぶりに聞いたわ。ええなー)」から始まって、「スタート・ミー・アップ」を通過して、ラストのキース・リチャードの新曲までの40曲。1963年から現在まで続く40年近い歴史を2時間で振り返るという構成。はっきり言って、これはスゴイですよ。

 1曲1曲に「すごみ」があります。
 人生があります。
 世界があります。
 ぶっとびます。

 こんなアルバム作れるのはストーンズしかおらん。他にも入れて欲しかった曲もあるけど、ほんまにこれはマスト・バイです。

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ハットフィールド・アンド・ザ・ノース "ロッターズ・クラブ"
Hatfield & the North "THE ROTTERS' CLUB"
 バンドの名前も、このアルバムのジャケットも昔っから知ってるけど、どんなんやってるんか全然知らんかった。プログレなん?フォーク系なん?ポップなん?さっぱり情報なかった。

 安かったんで冒険してみた。

 聞こえて来たのは「おい、これはキャラバンやろ。キャメルかな?」というボーカルの声と、なんとなくブランドXをちゃっちくしたようなインストのアンサンブル。ほほー!これは掘り出し物じゃない?

 メンバーを見たら、その謎がとけた。

 ボーカル(ベース)は元・キャラバンのリチャード・シンクレア。この後、キャメルへ移籍。ギターの人は元・(ロバート・ワイアットの)マッチング・モール。ドラムは元・ゴングの人。
 なーるほど。こういうメンバーならこういう音になって当然といえば当然なのよ。

 とは言うもののA級のプログレにはなってないところが、いかにもイギリスはカンタベリー出身らしいところか?

 ジャケットの雰囲気はいいよね。10CCかい?という雰囲気が昔っから気に入ってた。けど、タイトルは「ならず者クラブ」ゆうんやけど、いったいどういう意味が・・・? 75年発表。

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イエス "イエス・ソングス"
YES "YES SONGS"
 72年のライブ録音からイエスのベスト盤のような選曲をしたマスト・バイ・アルバムです。

 なにしろ「これがイエスだ」と思っている曲が全部入ってます。それもスタジオ盤よりもエライ力のこもったハードな演奏、プラスち密な構成力。これこそイエスの最盛期の音ですな。

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キング・クリムゾン "ライブ・イン・ハイドパーク"
King Crimson "Live in Hyde Park 1969"
 クリムゾン・クラブの第12弾やけど発表がノビノビになっていたんが、やっと出た。ストーンズの前座でついに世に登場したという伝説のハイド・パークでのライブ。ミック・ジャガーが白いフリフリのついた服着て歌ってた、あのハイドパークの大観衆というか大群衆の前に登場したックリムゾン!(ジャケットの分かりにくい写真はアリのような大軍の客の様子を上から撮ったもんです)

 ストーンズを見に来てる客(かなりガラも悪いはず)の前に出て来て、いきなり「21世紀の精神異常者」を演奏したときって、どんなんやったんやろ〜?「クリムゾン・キングの宮殿」を聞いた客はどう感じたんやろう?そして曲なのか何なのか分からんあのインプロビゼーションという名のゴチャゴチャした演奏を客は聞いていたんやろか?「エピタフ」を歌うグレッグ・レイクに客は涙したんやろか?

 それからのクリムゾンの受け入れられ方を見ると、たぶん、ハイドパークはクリムゾンの登場を寛大に受け入れたんやろう。なにしろ時代は69年!これからはなんでもアリやぞ!という時代だったからねえ。もし、すべってたら時代は変わってたでしょうね。よかった、よかった。

 このときのメンバーが集まって(1997)ブツブツ語り合ってるときの会話の録音まで入っているという完全マニア向けのアルバムです。

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夏川リミ "涙そうそう"
Natsukawa Rimi "Nada Sousou"
 今年の春あたりに有線で鳴っているのを聞いて「あれ?森昌子が新曲歌ってるんか〜?」と思ってて「なかなかエエ歌やな〜」という印象だった。ところが森昌子で検索しても新曲のニュースはない。ってことは森昌子じゃない。森昌子以外にあんな歌のうまいヤツおるんかいな?誰じゃ〜?とメッチャ気になってきた。

 そこへNHKの歌番組(演歌系)でこの歌を歌ってる無名のヤツを発見!「こいつか〜!やっと見つけたー!」ところが、その歌手の名前も曲名もついに聞けないまま番組は終わった。おい〜!

 そして、最近になって、サンテレビのビデオクリップ流してる番組で本人がプロモーションに出演してるのを偶然発見。

 そうかー!夏川リミ!「涙と書いてナダと読ませる涙そうそうかー!」と半年かかってついに判明したこの事実!(ところが、ヨメはんにゆうたら「な〜んや、そんなん知ってるで」と一言)

 ほんまに歌うまい。声きれい。歌い方いやらしくない。曲もええ。
 今年の卒業式に歌わせようと密かに計画してるんやが、音楽の先生が許してくれるかな〜・・・。

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ピーター・ガブリエル "4(セキュリティー)"
peter gabriel "「 Security"
 雨の中の青い車が1枚目。爪で自分をひっかいてるのが2枚目。3枚目は顔が溶けていってるヤツ。そしてこの何が写ってるのか分からんジャケットが4枚目。
 なんせ、4枚目まではアルバムタイトルが全部「ピーター・ガブリエル」としかクレジットされてないという、なんとも不親切なやり方。だから、どのアルバムかって指すときにはジャケットの写真から「レイン」「スクラッチ」「メルト」とかいう言い方があるんやが、なんでこれが「セキュリティー」なのかは不明。

 内容は今までよりも「民族音楽」風な味付けが濃くなってて、リズムが乾いててかなりオモシロくって、暗〜い重た〜い歌もあって、かなりいける。「スレッジハンマー」とかのポップ路線に行く寸前の時代を感じる音です。

 土人というか原始人というか、そういう土着の?非常に原始的な人間の感情と、当時の録音テクニックとの融合というか、対決というか、そういうもんを感じますね。

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イエス "イン・ア・ワード"
YES "IN A WORD"
 69年のデビューアルバム「イエス」から最新アルバム「マグニフィケイション」までの30年以上の歩みを、その時期その時期の代表的な曲をCD5枚にまとめた「イエスの歴史」決定版!登場!

 はっきりゆうて、こんな高い(¥10000)ボックスセット買わんでも、アルバムもってるちゅうに!それでも買ってしまうのはイエスの魅力のなせるわざ??なんせ、ファーストアルバムが出た時をリアルタイムで知ってるから「長い付き合いのツレ」感覚。

 買う前から分かってたことやけど、やっぱり1枚目から10枚目「究極」までがいい。その後は曲によってはええけど、やっぱりピークを過ぎたという寂しさは隠せない。

 大曲主義からこつぶなテクノポップという雰囲気になったけど、最近また大曲風な作り方に回帰している。これはジョン・アンダーソンの趣味でしょう。
 メンバーチェンジでゴタゴタしてたけど、なんちゅうてもジョン・アンダーソンの歌声があるからこそイエスなわけで、そこを間違えたらあきませんよ。

 さすがボックスセットだけあって、ブックレットは超豪華。知る人ぞ知るライターたちがシビアな文を書いています。その中にはキャメロン・クロウもちゃんとおる!という豪華版。
 例の「yes」のロゴの変遷も楽しい。当然ジャケットの絵はロジャー・ディーン。

 余談ですが、日本公演に学生服で行ったという人が同じ職場にいます。でも、同じときに同じ会場におったわけで、奇遇というかなんというか、それがイエスの歴史です。

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キング・クリムゾン "アースバウンド"
KING CRIMSON "Earthbound"
 ついにあの「幻の」ライブアルバムがCD化!

 とは言うものの、72年のライブなんて、コレクターズ・クラブのんでいっぱい出てるから今となっては貴重でもなんでもない。しかし、これがレコードで出た頃(4枚目の「アイランド」が出た後)は貴重もええとこやった。なぜかすぐに廃盤になってCDにもならず、だからこそ「幻の」アルバムやったわけです。

 中身はというと、例によって「21世紀の精神異常者」と、あとはいろんな曲のインプロビゼーション部分のこまぎれ編集という、いかにもクリムゾンのライブ!っちゅうもの。とりあえず、収録時間が短い(レコードと同じ)ので一通りは聞ける。これがまた「ボーナス」っちゅうやつで、わんさか曲を増やされた日にゃあ、やってられませんでー。

 「出た!」っちゅうことに価値があるCDでした。

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キャメル "ライブ・ファンタジア+7"
CAMEL "A LIVE RECORD"
 78年に出てたライブ・アルバムに未発表音源をプラスして、当時のライブをより忠実に再現した、キャメルのライブの完璧版。
 それにしても、このクサイ絵のジャケットは何?ターミネーターの指からビビビって超音波?が出て、アナログレコードに当たってキラキラ!!って、あんた、それは古くさすぎるやろ。一応、赤く輝くレコードのレーベルにはトレードマークのらくだの絵がデザインされている。けど、そんなん発見しても誰も喜べへんやろ。

 なんと、メンバーにメル・コリンズが正式参加してて、泣かせるサックスを聞かせてくれるが、なんせキャメルですから、どんなにがんばってもキャメルですがな。どうしても、一流のプログレのようにはいきません。

 キャメルをひいきめに見てしまうボクでも、やっぱり二流やな〜と思ってしまうその原因は何か!

 1. リズムが単調すぎる
   プログレのくせに8ビートの速いか遅いかだけでは、あまりにも単調と言わざるをえない。ストレートしか投げられへんピッチャーは最初はええけど、やっぱり打たれるみたいなもん。だいたい、オレでもたたけそうなドラムしか鳴ってないもんね。これでは一流にはなれん。

 2. 展開がダイナミックじゃない
   転調してもリズムが変わっても、それほど差がないから驚かない。プログレの鉄則「どんどん展開していって変化していって、そして最後に全部出て来てフィナーレ」という曲運びにもっていけない。同じようなピッチャーが後から後から出て来るけど、みんな打たれるみたいな。

 3. フレーズがふつうすぎる
   ギターにしてもキーボードにしても、ギョっとさせるフレーズがない。ヒットは打つけどタイムリーが出んみたいな。満塁でもホームランじゃなくて押し出しみたいな。

 まあ、スタジオ盤に比べたら、いろいろ工夫して聞かせどころも作ってるけど、やっぱり「二流に毛のはえたような」レベルですわ。

 がんばれ!キャメル!がんばれ!阪神タイガース!

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エマーソン・レイク&パーマー "展覧会の絵"
Emerson, Lake & Palmer "PICTURES AT AN EXHIBITION"
 いやぁ〜、やっぱり名作ですなあ。すみからすみまで覚えてるけど、やっぱり感動しますなあ。

 ボーナストラックに再結成時の「展覧会の絵」も入ってるから、2倍聞けるということなんやけど、やっぱり昔の「ムーグ・シンセサイザー」ゆうとったころの音の方がええわ。今のはサンプリングで豪華なだけで魅力ないわ。

 しかし、ライナー読んでびっくりしたけど、この「展覧会の絵」は「タルカス」のアルバムを出す時、オマケでつけて売るつもりやったらしいで。「タルカス」買ったら、「展覧会の絵」もついてくる!みたいな。
 メンバーとしては、もうこういうクラシックものはやらないつもりだったので、正規のアルバムとしては出すつもりなかったんやて。だから、オマケでいいやと思ってたら、レコード会社から「もったいない!」とクレームがついて、別々にというか、正式なアルバムとして出したっちゅうことらしい。

 これはどっかのバンド(泉た○?)に聞かせたい話やね。CDは作ったけど、1枚目も2枚目もむっちゃ在庫残ってるから、ライブ盤作って、そのライブ盤に1枚目と2枚目をオマケにくっつけて売ろか〜とかいう魂胆らしいからなあ。

 ところで、グレッグ・レイクが生ギター弾いて歌うところで、「エピタフ」を歌って大喝采になるっちゅうシーンはこのアルバムとちゃうかったんか?ええ〜?どこで聞いたシーンやったっけ?

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