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ここは最近買ったCDについて文句を言うコーナーです。
こういうのは完全な趣味の世界ですから、買うときの参考にはなりませんのんで、あしからず。

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ザ・フー "「さらば青春の光」オリジナル・サウンド・トラック"
MUSIC FROM THE SOUNDTRACK OF THE WHO FILM "QUADROPHENIA"
 「四重人格」のアルバムが出たのが73年。

 「ウッドストック」の映画で頭ガーンってどつかれたみたいな衝撃を受け、「ライブ・アット・リーズ」で「サマータイム・ブルース、カッコええな〜」とフーのファンになって「トミー」で「ロックも哲学やねんなー」と考えさせられ、「フーズ・ネクスト」で「これがフーの完璧版だ!」と思ってたら、さらに重たい重たい2枚組が出た!それが「四重人格」のLP。

 白黒の写真(映画のスチル)がいっぱいのジャケットはモッズ族の青年の物語で、なんだかシランがなにしろスゴイ!と、写真を目で追いなが感動してたもんだ。

 その「四重人格」を映画化したのが「さらば青春の光」で(実は見てないから映画的な批評はできませんが)これはそのサウンドトラック。「四重人格」の中の曲といっぱいダブってるから今まで買わんかったけど、ザ・フーになるまえのハイ・ナンバーズというバンドでやってたころの曲もあるんで、とうとう買った。
 この古臭い曲が、予想外にええんだ、これまった。これだけでも価値はあった。最近のバンドのロックのにせものみたいな音楽やってるやつらに聞かせたいわ。

 映画で使われていた他の人の曲もオマケみたいに入ってるんやけど、その中ではロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」と、カスケーズの「悲しき雨音」が最高やね。悲しき雨音のしょっぱなのカミナリの音って、あんなに大迫力やったんや。ドカーン!ゴロゴロー!って、ホラー映画もまっさおやで。ブラックサバスよりも強烈なカミナリや。

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ロカンダ・デッレ・ファーテ "妖精"
Locanda delle Fate "forse le lucciole non si amano pui"
 「77年彗星のように登場したロカンダ・デッレ・ファーテの唯一のアルバム。ドラマティックなアンサンブルの美しさは、まさにイタリアン・ロックの最高峰。」と、CDの帯に書いてある。ポリドールのイタリアン・ロック・コレクション・シリーズの一つ。

 あのPFMの「幻の映像」が72年、「甦る世界」が73年。ということは、77年に出たこのバンドは、かなり「遅れてる」わけ。世の中、そろそろプログレっちゅうもんにアキが来てるころ。
 ジェネシスの「静寂の嵐」が76年。ピンク・フロイドの「アニマル」が77年。それまでの「なんだか異様な盛り上げ方でドドーっと感動させる音作り」はすたれて、メッセージ性だとか演奏テクニックだとかインプロビゼーションだとか、プログレもいろいろ模索し始めてるころ。

 そんな世の中の動きなんか無視で、様式美というか形式美というか、プログレとはこれだ!みたいなバックの演奏に、場違いなごっついイタリア語のボーカルという、けったいな音。
 メンバーの写真がなぜか少女マンガっぽく、キラキラした処理されてるのに、写ってるメンバーはまさにアルカイダ?かと思わせるような人相の超悪いオッサンばっかり。ツイン・ギターにツイン・キーボードという大所帯。

 キーボード主体でジェネシスっぽいところに、ときどきイタリアらしい(PFMっぽい)メロディがチョロチョロ。どっかにキラリと光る良さはないか?と、かなりくり返して聞いたけど、アカンわー、これは。

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ジェフ・ベック・グループ "ラフ・アンド・レディ"
Jeff Beck Group "ROUGH AND READY"
 71年、第2期ジェフ・ベック・グループの1枚目。

 第1期グループを解散させたのが69年で、その11月に運命の交通事故。「いっしょにバンドをやらへんけ」と思っていたカーマイン・アピスとティム・ボガードはカクタスを作っちゃう。でも、そのおかげでコージー・パウエルというドラマーを発掘。この後のコージーの活躍を考えると、これは逆によかったかな?っと。

 さて、久しぶりに聞いた印象は「こんなにソウルっぽかったかな」という感じ。ボーカルのボブ・テンチが意外とえらいソウルフルで、バックも16ビートっぽくチャカポカゆうてファンキーやし・・・、でもピアノのマックス・ミドルトンが主役の曲はジャズ?っぽいアドリブメインになってるし・・・。

 アルバムタイトルはカッコええんやけど、中身はどうも「どっちつかず」というか「あっちもこっちも」というか、散漫なイメージかな?もっとギャリギャリーっていうハードさが欲しかったなあ。
 だって、71年ゆうたら、世の中ハードロックでっせ。

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ジェフ・ベック・グループ "ジェフ・ベック・グループ"
Jeff Beck Group "JEFF BECK GROUP"
 なぜかアルバムタイトルが「ジェフ・ベック・グループ」?バンドとしては2枚目なのに、なんで2枚目にバンド名をもってきたんやろう?普通、初登場のときにはバンド名をアルバムタイトルにすることはよくあるけどなあ。72年の作品。
 アルバム名が言いにくいから「いわゆる、あのジャケットがオレンジのん」と呼ばれたりしている。

 1枚目に比べると、ハッキリしてきたような感じ。曲もカバー曲を平気でいれてて、オリジナル曲もよくなったし、プロデュースもクロッパーさんにお任せして、のびのび演奏して楽しむ余裕ができたみたい。

 このアルバムの音からは次のBB&Aにスンナリつながるような気がしますね。いいアルバムです。

 ジェフさんとコージーさんは顔、似てるなあー。どっちも人相の悪いキツネ顔。グリコ犯か?

 不思議なのはラストの超有名な泣かせの曲「デフィニットリー・メイビー」のエンディングあたりで突然テープの回転遅くなったような、キーがガクって下がったような、へ〜んな感じになるところ。
 あれは作為的なん?それとも事故??

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クラプトン、ペイジ アンド ベック "スリー・ギター・ジャイアンツ"
Clapton, Page & Beck "3 guitar giants and their seminal works"
 なんとCD3枚のボックスセットで¥893(税別)なら、なんぼスカな内容でも一応買うでしょう。

 クラプトンはブルース・ブレイカーズでの演奏とヤードバーズでの演奏がまざってるヤツ。だるい。全部、おんなじ曲に聞こえる。

 ジミー・ペイジはソニー・ボーイ・ウィリアムソン?との録音と誰か分からん人とのセッション。だるい。これも似たり寄ったりの曲ばっか。

 ベックはヤードバーズ時代の演奏の寄せ集め。う〜ん、だるい。

 ってことで、ボックスやけど「だるさがいっぱいつまった箱」でした。なんのクレジットもないし、資料としても意味不明なのが多いし、¥893ドブにすてたということ。まあ、ときどき、3人3様のフレーズが出て来る程度です。

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フリートウッド・マック "タイム"
FLEETWOOD MAC "T i m e"
 ジャケットはペンギンの赤ちゃんが卵から顔を出しているところ。裏ジャケにはペンギンの親子。これはなつかしい「ペンギン」アルバムっぽいことやってるんか〜?と期待させる95年のアルバム。しかし、さにあらず。

 なんせ、メンバーがジョン・マクビーとクリスティン・マクビー、そしてミック・フリートウッドの三人に、ボーカルとギターの兄ちゃんとカントリーのようなソウルっぽいような、いかにもアメリカンなボーカルのねえちゃん、さらにハゲてしまったけど声だけは昔のままのデイブ・メイソン!という6人編成。これでは往年のフリートウッド・マックの音は出せません。

 どう聞いても落ち着き過ぎたウエスト・コーストという感じ。これは!という曲もなく、ただただ聞きやすいチョット美しい系のウエストコーストな曲が流れて行く。デイブ・メイソンが歌ったらもうマックっぽくなんかありゃしない!そして意味不明なのが、ラストの曲!!ピンクフロイドの「ザ・ウォール」か〜?と叫びたくなるようなバックに詩の朗読!なんじゃーこりゃー!
 もう「フリートウッド・マック」という看板は下ろしなはれ!

 ←泉たまのナベさんそっくり!これはジョン・マクビー!

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ジェフ・ベック "ゼア・アンド・バック"
Jeff Beck "There & Back"
 ええな〜。ベックさんとヤン・ハマーとドラムがサイモン・フィリップス!持ってたはずやねんけど、いつのまにかラックから姿を消していたアルバム。たぶん、ウチの息子が勝手にもって行ってしまってカリパクしたんやろう。なんぼさがしてもないから、また買おたでー。ええな〜。

 第一期ジェフベック・グループ〜第二期〜BB&A〜ブロウ・バイ・ブロウ〜ワイアード・・・ときて、この演奏にたどりつく。まあ、ワイアードの延長やけど、このいかにも天才プレイっちゅう感じはホンマにええわ。

 このへんになって、ついにジミー・ペイジに対する「見返してやるぞー」という気持ちも落ち着いたんとちゃうやろか。
 このあとは、だんだんとパワー落ちて行くような気がするもん。やっぱ、ジミーに対する怨念がベックさんのエネルギーになってたんとちゃうかなあ。
 このアルバムが80年。ツエッペリンの「コーダ」が82年。ジェフさんの次のアルバムは85年の「フラッシュ」だから、やっぱ、ジミーのガックリ姿を見て、ベックさんやる気なくしたんでしょうねえ。

 ってことで、やる気満々のベックさん、最後のアルバムです。

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フリートウッド・マック "ミラージュ"
FLEETWOOD MAC "Mirage"
 75年が「フリートウッド・マック/ファンタスティック・マック」77年「ルーモアズ/噂」79年「タスク」そして82年の作品がこの「ミラージュ」はっきしゆうて、そろそろあの雰囲気もあきられてきた頃の作品。

 でも、スティービー・ニックスの声が好きやから今になってぼちぼち買い集めてるというわけ。

 「グレイテストヒッツ」に入ってる「ジプシー」以外はたいしたことない曲ばっかりやけど、スティーブの声がときどき聞けたらそれでええか。

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キング・クリムゾン "ライブ・アット・ズームクラブ"
King Crimson "Live at the Zoom Club"
 ファンクラブ頒布会の第20弾。

 これはつらい。かなりつらい。72年のライブ。
 音、悪い。ラジカセをテーブルの上において録音したみたいな音。がちゃがちゃした雑音と人の話し声がそのまんま。その中でバランスの悪い演奏がCD2枚にわたって延々と続く。
 まあ、これでもフリップさんがマスタリングしなおして、なんとかがんばったんやろうけど、それでもここまでのレベルにしかならんのやったら、わざわざCD化する必要がありまっか?
 それでのうても、このジェレミー・ムーアがおる時代のライブはもうすでにいろいろ出てるわけですから、無理に出さないかんほどの希少性もないわけですやん。
 それでも出すということは、とうとうフリップさんも「もうけ主義」になったんか〜と疑いたくもなりまっせ。

 フリップさんの場合、もうけ主義というよりも自分自身がクリムゾンおたくなわけで、全部マスタリングやりなおして全部CDにしたい!と思ってるんでしょうねえ。
 いつまで続くか分からんけど、とりあえずつき合いましょう。

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T-レックス "ザ・スーパー・ベスト・オブ・T-レックス"
T-Rex "The Super Best of T-Rex"
 安さに負けて買ってしまった。わざわざ買うほどのもんでもないやろうけど、「ゲリローン」とか「テーレグラムサーム」とか「ジープスター」のライブバージョンが入ってるし、全23曲でお買得だったもんで。

 ところが、聞いてびっくり!どこが「ライブ」なん??ライブってどこでやったライブなん??ライブなのかスタジオ一発録りなのか、一体なんなのよ!まーったくシングル盤とおんなじやんかー!
 なぜか曲のアタマにDJさんがラジオのコマーシャルみたいに曲の紹介とかT-レックスの宣伝とかしゃべりまくるしー。
 これのどこが「ライブ」なんよー!

 だいたい、ベスト盤やねんから、何年の録音でどのアルバムに収録されてて、どういうバージョンなのかという説明があってもええのに、全然あらへん。
 T-レックスゆうたら昔から「東芝」やと思ってたら、今回のんはテイチクから出てる。あかんがなー、テイチクさん。ある程度の「資料性」をもたせてくれやんと、ベスト盤の意味がないがなー。分かってないなー。

 マーク・ボランのほにゃほにゃした声の初期の頃の歌は、何やシランけど摩訶不思議な雰囲気でついつい聞いてしまいますなあ。「ゲリローン」とか大ヒットした有名な曲もええけど、初期のほにゃほにゃも、よろしおまっせー。

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