24th.

ここは最近買ったCDについて文句を言うコーナーです。
こういうのは完全な趣味の世界ですから、買うときの参考にはなりませんのんで、あしからず。

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フラッシュ "フラッシュ""アウト・オブ・アワー・ハンズ"
FLASH "FLASH"1972 "OUT OF OUR HANDS"1973

 フラッシュのデビュー盤と2枚目がセットになったお得?なアルバム。

 まあ、これを聞くと何故トニー・ケイとピーター・バンクスがイエスをクビになったのかがよく分かります。アンタらには、その後のイエスについていけるだけの演奏力がなかったということよね。

 ただ、2枚目の最後に「レッド」以降のクリムゾンを彷彿とさせるギターリフとキーボードのソロが出て来るので、この路線をハードに頑張り続けてたらフラッシュにも未来があったかも知れません。
 残念ながら、アルバムタイトルのようにチラっ(FLASH)と現れて、そのままパっ(FLASH)と消えてしまいました。

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アリス・クーパー "キラー"
Alice Cooper "Killer" 1971

 アメリカン・ハードロック再発見シリーズ。

 1曲目の「アンダー・マイ・ホイール」なんてデトロイト色強くて、J・ガイルズかと思う程!ショック・ロックなんて呼ばれてたけど正統派のハードロック道を行ってます。

 ところが、プロデューサーのボブ・エズリンの趣味か、ずぅ〜っと聞いて行くと、何でもアリになってるのでチョッと評価が下がっちゃうかも…。

 ステージでけったいな趣向を凝らしていたアリス・クーパーだけど、そのショーのBGMみたいな曲もあったりして、それがまた、ピーター・ガブリエルのおった頃の初期ジェネシスのおどろどろしさに似てたりするのが興味深い。

 ジャケット(ブックレット)の綴じ込みに72年のカレンダーがあって、これが絞首刑になるアリスの写真なのだ。これきっとLPサイズでオマケに付いてたんやろなあ。CDの大きさだから「へぇ〜」で済んでるけど、LPの2倍の大きさで見たら「ひぇ〜っ」やったやろなあ。

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リック・デリンジャー "オール・アメリカン・ボーイ"
RICK DERRINGER "ALL AMERICAN BOY" 1973

 ロックの名曲に必ず入る「ロックン・ロール・フーチークー」で始まるオシャレで洗練されたカッコいいハードロックの名盤。ジョニー・ウインターの「スティル・アライブ&ウェル」にも入っている「チープ・テキーラ」が、ここではカントリーというか、吉田たくろうバージョンで聞けます。

 ドラムのボビー・コールドウェル!やっぱカッコいいです。カプリコーン・レーベルのスタジオミュージシャンで、オールマンともやってるし、ジョニー・ウインター・アンドでもやってて、キャプテン・ビヨンドの初代ドラマーです。

 ロックはカッコよくなきゃあ〜っていうリックさんとビル・シムジクの最強コンビならではのアルバムです。

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フォガット "ロック&ロール"
FOGHAT "Rock & Roll" 1973

 マイ・ブーム真っ最中のフォガット、2枚目のアルバム。「フール・フォー・ザ・シティ」のカッコよさまでは、まだ到達していません。ブルースロックと形容できるような発展途上な音になっています。どの曲も悪くはないのですが、期待が大きすぎて「もっとスピード上げてよー!もっとアクセル踏んでよー!」と言いたくなるような、ハンブル・パイみたいな、ときにはリック・デリンジャーのような感じです。

 それでもロッド・プライスのスライドは唸ってますし、ロンサム・デイブのスタイルもすでに確立されてます。

 ウチのバンドはこのハードなブギーがウリですねん!と、まだ決めかねているような、もどかしい内容でございました。

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ゲス・フー "ライブ・アット・パラマウント"
THE GUESS WHO "LIVE AT THE PARAMOUNT" 1972

 あの当時、レコードを買うときは、弟と相談して買っていました。弟もロック好きだったので、ダブっちゃうとエライことだったので、このバンドはボクが、あのバンドは弟が買うという「住み分け」が必要だったのです。でも、ロック歴は兄のボクの方が先行していたので、弟はなんとなく「ちょっと本流ではない」「ちょっと二流扱いな」「ポピュラーなバンドというよりも渋めの地味なバンド」の担当になっちゃいました。かわいそうに。

 で、このゲス・フーは弟の分担でありまして、ボクのレコードの棚には並んでいません。
 でも、こうやって改めて聞いてみると、なんと渋い、職人のようなバンドだったんだなーと、今さらながら感心させられます。

 LPには入ってなかった曲も追加されて、ピーク時のゲス・フーが完全な状態で聞けます。アメリカン・ハード・ロックの草分け的存在ですが、バートン・カミングスのロックな声と、美し過ぎるピアノの音がゲス・フーらしいとこでしょう。

 それにしても「アメリカン・ウーマン」のイントロの前のイントロみたいなブルースの部分が延々と続いて、おい!どこまで引っ張るんやとツっこみたくなります。じらしてじらして、いきなり始まるあのイントロにはぞくーっとしまっせ。

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フォガット "エナジャイズド〜フォガット3〜"
FOGHAT "Energized" 1974

 あの当時、ディープ・パープルはハード・ロックの代表みたいなイメージがあって、ヒットした代表的な曲は「ものすごいハードロックだ!」という感覚があった。けど、実際のところ、スタジオ録音モノを聞き返してみると意外とテンポがのろい。スピードが遅い。ドワーっとすさまじく迫力があるのかというと、案外、ないのだ!

 しかし、このフォガット3枚目の1曲目を聞いてみよ!「ハイウェイ・スター」なんかブっとんじゃう程のスピードなのだ。この驚くべき怒濤の疾走感。そんじょそこらのハードロック・バンドにはないで、このグルーブは。ほんまにカッコええ!ある意味、Jガイルズの「フルハウス」のたたみかけるような攻撃的なロック攻勢に似ているか。圧倒される気持ちよさ。フリーのすかすか感をブギーでひた走るギター・リフに置き換えたようなビートが心地よい。

 5枚目の「フール・フォー・ザ・シティ」ほどアメリカンな感じにはなっていない、ブルースロックがハードロックに変化していった過程が懐かしいようで新鮮で、文句無しにカッコいい!

 ジャケットはLP版では変形ジャケットやったんかなあ?中央の青い部分はなんか仕掛けがあったんやろなあ。そうやなかったら、ぶっさいくなジャケットやで。

 ボク的にはフォガット・ブームが来たなって感じ〜。

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フリートウッド・マック "ゼン・プレイ・オン"
FLEETWODD MAC "THEN PLAY ON" 1970

 ピーター・グリーン、ダニー・カーワンのギター教則本のようないろいろやってみました的な完全なギターアルバム。「アルバトロス」の延長線上にあるような名演奏(ジャム?)が繰り広げられる。ブルース色はほとんどなくなっているのはジェレミー・スペンサーが参加してないから?不思議〜な音空間です。これが70年か…。
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サボイ・ブラウン "ストリート・コーナー・トーキング"
SAVOY BROWN "STREET CORNER TALKING" 1971

 チキン・シャックとフォガットとの間にはさまれて、不運なメンバーチェンジを繰り返さざるをえなかったサボイ・ブラウン。キム・シモンズがブルースロックの進化の先に選んだのは、フォガットのようなハードロックではなく、なんと、アメリカ南部っぽいロックだった。

 ギター、いいですねえ。もっと評価されてもいいんとちゃう?ピアノもオルガンも南部っぽくていいですねえ。さらに新加入のボーカルがサラっとソウルフルでいいですねえ。

 うろ覚えですが、当時のニュー・ミュージック・マガジンではブルースじゃなくなったサボイ・ブラウンなんてダメだ!とか酷評されてたと思うけど、このアルバム、充分イケてますがな(ちょっとダルい長過ぎる曲もあるけどね)。

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ロビン・トロワー "ブリッジ・オブ・サイズ"
ROBIN TROWER "BRIDGE OF SIGHS" 1974

 71年にプロコルハルムを抜けたトロワーさんの2枚目。プロコルハルムでどんなギターを弾いてたのか全然印象にないんやけど、クラシック調なキーボードにのせてヘビーなギターで泣き節弾いてたんですか〜?
 ジミヘン・フォロワーと言われてるだけあって、1、4、5曲目なんてまさにジミヘン節。しっかり影響されてはいるけど、それだけに終わってない。タイトル曲から3曲目へメドレーで流れて行くところなんか非常に美しい。6曲目なんかジェフ・ベック並みにきれいな曲です。

 発売当時は例の「ビート・オン・プラザ」でエア・チェック(死語)して何回も聞いてたけど、このCDには74年のライブがオマケでついている。だから買ったんやけどね。
 このライブがめちゃくちゃ熱い。イメージとして「地味なオッサン」という印象があったけど、このライブなんか弾きまくっている。こっちの勝手な想像よりもロビンさんは若かったようです。

 もう一つ、ボクの完全な勘違い(思い込み)やったけど、実はボーカルはベースの人が歌ってたんですね。ええ声でソウルやねんけど、ギターがメインなバンドやのに、歌とかMCとかはベースの人がやってるっちゅうのはライブで見たら、どうなんでしょう?ちょっとロビンさん、間抜けな感じになりませんか?いかがなもんでしょう?

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ファンク・ブラザーズ "「永遠のモータウン」オリジナル・サウンドトラック"
The Funk Brothers "standing in the shadows of MOTOWN" 2002

 DVDがめっちゃよかったのでサントラも買いました。これがやっぱり素晴らしい。映画ではフェード・アウトして途中までしか聞けなかった曲が最後までちゃんと聞けるライブ盤であります。

 モータウン全盛期をバックの演奏で支えたファンク・ブラザーズの演奏がたっぷり楽しめます。バックの演奏は当時のままでメインのボーカルが新しい人になってますが、なんの違和感もなく、当時の名曲が聴けます。このライブ、行ってたら涙止まらんかったやろなあ。

 ところが、後で分かったことやけど、このアルバムの完全版というのがあって、2枚組で、モータウン・ヒット曲のファンク・ブラザーズだけの演奏カラオケがいっぱい入ったバージョンも発売されてます。
 このアルバムにもシュプリームスの「キープ・ミー・ハギング・オン」の演奏だけのカラオケが入ってますが、歌無しでも充分カッコええのです。他の曲のカラオケ・バージョンも聞きたかったなーと、ちょっと後悔してますが、でも、このアルバム、今年のベスト・アルバムになる可能性は大です。

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