23rd.

ここは最近買ったCDについて文句を言うコーナーです。
こういうのは完全な趣味の世界ですから、買うときの参考にはなりませんのんで、あしからず。

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ロギンス・アンド・メッシーナ "オン・ステージ"
Loggins & Messina "ON STAGE" 1974

 うわー、懐かしい!

 30年程前、K外大軽音楽部のバンドでコピーしてやってた「ゴールデン・リボン」と「ノーバディ・バッツ・ユー」が入っています。72年、73年のライブです。

 ところが懐かしい思いだけで、案外、この世界にはもう入って行けませんねえ。意味のない?長いアドリブはいらんでしょう。メッシーナが入ってロックンロールやってるよりも、ケニー・ロギンスが一人でやってる弾き語りの方がええなあと今なら思えます。

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アウトローズ "ベスト・オブ・アウトローズ グリーン・グラス・アンド・ハイ・タイド"
Outlaws "best of the Outlaws green grass and high tides" 1996

 イーグルスのベストのジャケットにはイーグルの骨?の絵が描いてあるのをパクって、アウトローズは牛の骨ですか?ジャレてるようで、全然アウトローズと牛と関係ないやん。

 サザンロックありぃの、カントリーありぃの、16曲も入ってるけど、ベストな割りには名曲がないんやなあ、このバンド。

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ジョ・ジョ・ガン "ジャンピン・ザ・ガン"
JO JO GUNNE "JUMPIN' THE GUNNE" 1973

 ちょっと変わったポップなロックをファミリーでやってたスピリットというバンドのキーボード、ジェイ・ファーガソンが作ったアメリカン・ハードロック・バンド。当時としてはフォガットとかブラック・オーク・アーカンソーとかモントローズとかと並んで紹介されてたかな?

 巨大なおデブちゃんが裸で飛んでるのをメンバーがベッドから見ているというジャケットもなかなかロックな感じだけど、音はハードロックというより、いろいろやってます的な感じがしますねえ。もうちょっとシャープな鋭さが欲しかったねえ。音もなんかしらんが中音域ばっかりでヤボったい感じ。次のアルバム「バイト・ダウン・ハード」の方が出来はええんかもしれんなあ。

 フォガットのカッコよさに圧倒されて、70年代前半のハードロックでちゃんと聞いてないヤツを再発見しようと目論んだけど、ちょっと期待はずれ。フォガットがブギー(武技?)一本やりでグイグイ攻める作戦に出て成功したんやけど、ジョジョさんはアレンジもいろいろ凝って、ジャングルの効果音入れたり、なんかカスタネットのような擬音をチョコっと入れたりして、いらんことした割には効果がなかった。スピリットの時代から変な凝り性なとこはあったかもね。

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パット・トラバース・バンド "ライブ!"
Pat Travers BAND "Live! Go for what you know" 1979

 前に聞いた「パワー・トリオ」のアルバムがめちゃくちゃよかったから、ライブはどんなん?って思って買ったけど、やっぱりあの「パワー・トリオ」はカバー曲集という選曲がよかったわけで、このライブは「あ〜、こんな感じのハードロックね。」って印象だけ。

 カーマイン・アピスとやってるアルバムもあるけど、たぶん、こんな感じやろなあ。買うのやーめたっと。

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フリートウッド・マック "英吉利の薔薇"
Fleetwood Mac "English Rose" 1968

 時は1968年。ロック界はひっくり返ってた時代。フラワー・ムーブメントだ、サイケだ、インドだ、ゴチャゴチャだと、どんどん何でもありの世界へまっしぐら。一体どこへ行くのやら。

 ということで、原点に戻りましょう的な動きも出て来てた時代でもあったわけ。

 で、完全なブルース!僕たち、ブルース大好きよ!

 ビートルズが「サージェント〜」を作って以来、世間ではレコーディング技術がどうのとか新しい楽器やらエフェクターがどうのとか、果てはオーケストラを入れたり、ムーグだかモーグだかいう変な機械を使って喜んどるが、僕たちは黒人さんがやってるブルースが好きなのよー!僕のギターを聞いてちょうだい〜。ってな感じのノリか?

 しかし!この単純な原点回帰のムーブメントを「僕たち白人なりのブルースの解釈」だけに終わらせないで、テクノロジーもサイケもプログレも高度なアレンジもすべて取り込んだところにジミー・ペイジのツェッペリンが誕生するのだった〜。
 誰でもが「ツェッペリン」に成り得た時代でもあったが、誰でも成れるわけではなかったのだ。偉大なり、ジミー・ペイジ!ピーター・グリーンでは無理だったのだ。

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バークレー・ジェイムス・ハーベスト "ゴーン・トゥ・アース"
Barclay James Harvest "GONE TO EARTH" 1977

 うん、そうでした。プログレにはこっちの路線もあったんです。ムーディー・ブルース派と呼べばいいのでしょうか、このほんわかしたムードと美しいコーラス(アンタら、ビージーズか!と叫びたくなること請け合います)とポップなアレンジ。決してカンタベリー系のやぼったさはなく、誰でも分かるシンプルな美しさ。4曲目なんかまさに「サテンの夜」じゃないですか。なんとタイトルも「プア・マンズ・ムーディー・ブルース」!遊び心いっぱいですか?なーるほど。大げさなシンフォニック・アレンジもあり、ポップな小曲もあり、さわやか路線もあり、ハードロックっぽいのもあり、よーく考えられて、よくまとまっております。

 ジャケットのプログレ度は100点満点。

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ジェファーソン・エアプレイン "バーク"
JEFFERSON AIRPLANE "BARK" 1971

 ジェファーソンが自分たちのレーベル「グラント」を立ち上げて出した最初のアルバム。とはいうものの、結成当時のメンバー、マーティ・バリンはもういません。そのかわりホット・ツナのパパ・ジョン・クリーチのバイオリンが聞けますが。

 レコードは当時大流行りだった変形ジャケットで、スーパーみたいな茶色の紙袋にジャケットが入っていたはず。

 まあ、それにしてもジェファーソンのアルバムはどれもこれも似たようなもんで、なんかええのか悪いのかよう分からんのんばっかりという印象やね。たまに(ホンマにたまに)メッチャええ曲と出会えることもあるけど、ほとんどは普通にタラーっと演奏してるだけやなーという曲ばっかり。まとまってないというか、まとまらんでもええというか、「ワタシら、シスコのジェファーソンやでー。あのジェファーソン・エアプレインやでー!」という大看板だけでやっとるみたいなバンドやなあ。

 ぼくは、この次の次に出た「サーティ・セカンズ・オーヴァー・ウインターランド」のライブが好きなんですけどね。

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スプーキー・トゥース "スプーキー・2"
SPOOKY TOOTH "SPOOKY TWO" 1969
 なーんにも仕掛けのないドラムの8ビートが延々30秒ちょっと続く(だんだんとディレイが濃くなってくるけど)という異色のイントロから完全にやられちゃいました。ほほー、これがスプーキー・トゥースかー。ツイン・キーボードなん?ヘビーやなあー。
 ピエール・アンリと組んでやったゲイリー・ライトのプログレ・プロジェクト「セレモニー」の印象が強くて「何やってんだか分からんバンド」だったんですが、ちゃんとしたブリティッシュロックやってたんですねー。

 ボーカル二人のうちどっちかがスティーブ・マリオットに似ているからかハンブル・パイを思い出す部分もありますが、ソングライター、ゲイリー・ライトの曲がとてもよくて名曲・佳作曲がそろっています。アコースティックもあり、ゴスペルっぽいのもあり、ブルース色はあんまりきつくなくて、ブリティッシュハードロックの幕開けかという感じ。リフがアイアン・バタフライみたいにも聞こえるなあ。「ザット・ワズ・オンリー・イエスタデイ」って当時流行ったシングル曲も入っています。

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チキン・シャック "イマジネーション・レイディ"
CHICKEN SHACK "Imagination Lady" 1972
 スタン・ウエッブ率いるチッキン・シャック(当時はなぜかチッキンとゆうてた。なぜチキンなのにチッキンなのだ?ひょっとしたらキッチンと混ざったのか?それとも世間は普通にチキンなのに、ボクとキヨさんだけがチッキン・シャックと呼んでただけなのか?)のトリオ編成になっちゃった時のアルバム。
 三大ブリティッシュブルースバンドの間ではメンバーの取り合いが日常茶飯事だったらしいから、メンバーもころころ入れ替わっております。

 フォグハットみたいに完全にロック化しないでクリーム路線というかブルースらしさを失わずにやってます。どっぷりブリティッシュな音です。1曲目の16ビートは時代を感じますねえ。泉たまの16ビートと全く同じアプローチですがな。しかし2曲目は「ホワイト・ルーム」のパクリじゃないっすか〜?ドラムソロ(あんまりすごくないんじゃが…)の曲があったりして、ひょっとしてツェッペリン意識してるところもあったんかしら?リフがそれっぽい曲もあるしねー。ところが最後の曲だけはジェファーソン・エアプレインじゃないかと思わせるアメリカンな曲に仕上がってます。不思議じゃー!これも時代のなせる技か〜?

 ギター、ベース、ドラムのトリオでのドラムの役割っちゅうのはギターが2本あるバンドのドラムの役割とはちょっと違うんですねえ。リズムキープ&タイトだけでは勤まらんのです。音数とか仕掛けとか、かなり詰め込んだドラムじゃないとトリオではしんどいんですね。そう思って聞くと、このドラマー、めっちゃがんばってますよ。うまいです。

 最近、紙ジャケシリーズで初期のアルバムが再発されたようだけど、好きな人は好きなんだろうなあ。

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フォガット "フール・フォー・ザ・シティ"
FOGHAT "FOOL FOR THE CITY" 1975

 70年代初頭のブリティッシュ・ブルースロックと言えば、ピーター・グリーンのフリートウッド・マック、スタン・ウェッブのチキン・シャック、キム・シモンズのサヴォイ・ブラウン。そのサヴォイ・ブラウンからボーカル・ギター、ドラムが引き抜かれて出来たバンド、フォグハット!ってことはイギリスのバンド?

 ところが1曲目から聞こえてくるのは、おもいっきりアメリカンなハードロック。気持ちいいねー。ロッド・プライスのボトルネック・ギターが鳴りまくって、ちょいとタメぎみのリズムセクションが心地よくうねっていて、ブルージーな歌もいいですねー。これだからロック黄金期は70年代だ!って確信しちゃいます。70年代ロックはあなどれない。

 いわゆるホワイト・ブルースのバンドから脱皮してロックに昇華されたというか、一歩レベルが上がったというか、完全なハードロックになっています。ブルースにちょっと毛が生えたような中途半端なし!怒濤のブギー攻勢が続いたかと思うと、ラストの曲なんかなぜか初期のドゥービー・ブラザーズかスティーリー・ダンを思い出させるようなところもあり。これは名盤だと言えるでしょう。

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