22nd.

ここは最近買ったCDについて文句を言うコーナーです。
こういうのは完全な趣味の世界ですから、買うときの参考にはなりませんのんで、あしからず。

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ルネッサンス "ノヴェラ"
Renaissance "NOVELLA"

こちらUSA盤


こちらUK盤

 ルネッサンスは、もともとヤードバーズにいたキース・レルフが作ったバンドやったけど、初期の頃の音は知らん。72年にメンバーチェンジして、女性ボーカルのアニー・ハズラムが入った「プロローグ」は持ってるけど、あんまりパっとせん、感動的でもないアルバムやった。カーヴド・エアのフランシス・文句マンがゲスト参加してたぐらいで、ほとんど記憶に残らん音だった。だからルネッサンスなんて、期待してないのよ。でもね、あの頃のプログレで「まだ聞いたこと無い」ってのはボク的にはやっぱり納得いかんとこあってね。とうとう買っちゃいました。

 これは77年のアメリカ上陸デビュー盤。これが、美しい!ホンマに美しいの一言。アニー・ハズラムさま、ああ、女神さま〜って感じ。ロックらしいビートは感じないんやけど、歌姫の声に魅せられたというか、ミューズの神さん降臨〜っ。皆の者、頭が高〜い!へ、へぇ〜〜〜っ。
 カーヴド・エアのソーニャさんも最初はこんなイメージだったけど、ライブでは実はガラガラ声のジャニスだったということもあるから、勝手な想像は危険なのじゃが…。

 ブリティッシュ・トラッド・フォークっぽいメロディをオーケストラの豪華さで飾り付けしてみましたというプログレ様式。これは「あり」ですねえ。
 ドラムのパシャパシャゆうてる音とかオーケストラの絡み方とかベースのぼやんぼやんな音とか、PFMそっくりに聞こえるんやが、これはPFMの方がルネッサンスの影響を受けたということなんでしょうねえ。
 逆に、同世代の他のプログレのバンドと似てるところがない!というのがスゴイと思う。ルネッサンスの音がちゃんとありますから。

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クォーターマス "クォーターマス登場"
QUATERMASS "QUATERMASS"
←このジャケットは見開きで見なくちゃ!

ビルを見上げてはクォーターマスだ!と喜んでいたのだ

 70年に出た当時から、このジャケットのカッコよさだけが気になり続けていたアルバム。街でビルに囲まれた場所に来たら、必ず空を見上げて「おぉ〜、クォーターマスじゃ〜」と叫び続けて35年。ついに買ったぞ。ブックレットの隅々まで全てヒプノシスのデザインで、これだけでも一級の美術品。アートじゃ〜!

 音は、編成がそうなのでELPに似てるのはしかたがない。でもELPよりも単純にブリティッシュ・ロックしてます。元気です。そして意外に明るいです。そしてウマイです。
 ジャケットのクールさからジャズっぽいかな?とも思ってたんですが、そんなこと全然なくって、ロックです。ELPのグランドファンク版という表現がぴったりのような、そんな音です。長尺の曲よりも短めの曲の方がやりたいことハッキリしてて良いです。

 これなら、当時LPを買ってても、ワルツ堂に売ったりしないで今でも大事に持ってたことでしょう。ただし、CDのボーナストラックのおまけはイラン。適当にやった演奏だって丸分かりですがな。
 このバンド、このアルバムたった1枚かぎりなんだけど、この後、一体どないなったんでしょう?もったいない。

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マリリオン "リアル・トゥ・リール"
MARILLION "REAL TO REEL"
 83年デビューで、84年録音のライブ。印象としては、まさしく73年ジェネシス「ライブ」と同じような感じ。まだまだ荒削りだけど、やりたいことは「これだ!」と分かっているバンドの持っている変な思い込みパワーがガンガン伝わる。
 客のノリもロックファンっぽくって素直でいい感じ。

 ジャケットから想像すると、ボーカルのフィッシュさん、かなりピーター・ガブリエルを意識してたようで、たぶん奇抜なコスチュームとエグイ化粧だったんでしょうね。かぶりものもあったんでしょうか??

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マリリオン "過ち色の記憶"
MARILLION "Misplaced Childhood"
 マリリオンなんてバンド、名前からしてヘビメタのバンドやろーと思ってて、全く全然知らんかった。iTunesで試聴してびっくり!おいおい、こいつらジェネシスじゃん!ボーカルのやつ、ピーター・ガブリエルのものまね、めっちゃウマイじゃん。演奏はそんなに凝ってないけど、ジェネシス色濃いじゃん。なになに?子どもの頃の悲惨な体験を基にしたトータル・アルバムだって?プログレファンはこの「トータル・アルバム」という言葉に弱いんだよ。いや〜、やられたねー。

 今年はいろんなプログレバンドに手を出して冒険買いしてみたけど、どれもこれもドングリの背比べというか、70年代プログレ黄金期の音をうまく取り入れてるけど、これだ!という個性までは作り出せていないバンドばっかりだった。

 ところが、このマリリオン。完全にジェネシスのフォロワーというか、コピ−バンドとして開き直っているように思えて、意外と好印象。大先輩のジェネシスがプログレ道を歩んでた頃の音を再現してくれてます。フィル・コリンズがポップ路線に行っちゃう前のブリティッシュなプログレ感、満点で「そうそう、僕たちが聞きたかったジェネシスはこれなのよ!」という気持ちで聞けます。
 このアルバムが出た85年は、ジェネシスがポップ・プログレ路線に走り出してた頃だから「先輩ぃ〜〜っ、そうじゃないでしょう〜〜。ジェネシスって、こういう音でしょう〜〜。」ってメッセージがあったのかもね。

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エドガー・ウインター "ジャスミン・ナイトドリームズ"
Edgar Winter "JASMINE NIGHTDREAMS"
  74年「恐怖のショック療法」75年「謎の発光物体」と、ルックスにもこだわったエドガー・ウインター・バンド全盛期に作られたエドガーさんのソロ。ジャケットのエドガー人形が不気味です。

 この人、いろんなことがやりたい人らしくて、このアルバムでもホンマにいろんなことしてます。ブルーアイド・ソウルもありぃの、ホワイト・トラッシュみたいなファンキーなんもありぃの、ハードロック(ツェッペリンのコピーみたい)もありぃの、ジャズっぽいインストもありぃの、一歩間違ぉたらプログレじゃんもありぃの、なんでもありなので飽きませんが、一体どれを聞いて欲しいのかも分かりません。
 確か、来日したときも、こんな感じでなんでもありやったように思いますが、あれは一体いつのことやったんでしょう?忘れました。
 どの曲もサックスやらキーボードを自ら弾きまくってて自分としては超満足やったんでしょうね。兄貴にもブルースやらしたってるし、リック・デリンジャーもしっかりロックやってますし、ウインター・ファミリー好きにはたまりません!

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イッツ・バイツ "ワンス・アラウンド・ザ・ワールド"
IT BITES "ONCE AROUND THE WORLD"
 IT BITES・・・それは噛みつく。猛犬注意??という変わった名前のバンドやけど、久々の大満足です。これはすごいバンドを発見したぞ?という感じです。

 ゴングのギタリスト、スティーブ・ヒレッジがプロデュースした、88年の彼らの2枚目のアルバム。スティーブ・ヒレッジという名前に一瞬たじろいだけど、なんのなんの、MTV時代を意識した?ビジュアル系ハードロック・プログレです。

 分かりやすいポップなビートを基礎に、ジェネシス、イエスのプログレ要素をうまく取り入れた完成度の高い音で安心して聞けます。カッコいいぃ〜っ!!
 ボーカルがピーター・ガブリエル節を泣きそうな声で歌ったり、一瞬のベースのフレーズが完全にクリス・スクワイアの音だったり、美しいキーボードはトニー・バンクス、ソロになるとリック・ウエイクマン節に。ギターはスティーブ・ハウっぽいところもあり。と、充分、楽しませてくれます。

 あとの2枚も興味津々ですわ。これはいいですよ!

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ジェントル・ジャイアント "オクトパス"
Gentle Giant "Octopus"
 ジェントル・ジャイアントは「イン・ア・グラス・ハウス」のLP持ってたけど、あんまり気に入ってないバンドです。一応、プログレやねんけど、音がカッコ悪いんです。ロックの基本はやっぱカッコよさでしょう。たとえプログレでもカッコよさのないプログレはロックじゃないでしょう?
 ってことで、このロジャー・ディーンがジャケットを描いた(米盤はジャケット違い)72年の4枚目は、せっかくジャケットは中身を期待させるんだけど、やっぱりカッコ悪い。

 結論:ロックのカッコよさはリズム(ビート感)にあり!ビート感のないジェントル・ジャイアントはだからカッコ悪い。

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エマーソン・レイク&パーマー "タルカス"
E,L&P "TARKUS"
 何じゃ?今さらELP??

 やっぱELPと言えば、これでしょう。この「タルカス」の怒濤の20分ってスゴイの一言でしょう。全部、口で言える展開(当時これを聞いてた人なら誰でもほぼ覚えているでしょう)が、始めから終わりまで、ものすごいハイテンションなのがスゴイ!

 キヨさんは「いやぁ、タルカスよりブレインなんとかの方がええやろー」と『恐怖の頭脳改革』の方をすすめるんやが、やっぱりこの「タルカス」のドドドドドドドーっと突き進むプログレの圧倒的な迫力ゆうのには勝てませんよ。他のバンドにはこんな曲ないもんねー。

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ピンク・フロイド "夜明けの口笛吹き"
PINK FLOYD "The Piper At Gate Of Dawn"
 何じゃ?今さらピンク・フロイドのデビュー・アルバム??

 67年のピンク・フロイドというか、シド・バレット・バンドは、いわゆるプログレのアイコンとなったピンク・フロイドじゃぁありません。

 当時の曲のフィルムを見ると、メンバーが草原を転げ回ったり、馬跳びしたり、モンキーズか?と思うようなおどけたポーズではしゃいだりしてました。
 サイケデリックなポップバンドという感じです。

 キヨさんは気にいってますが、ボクにはもひとつです。

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ザ・テンプテーションズ "アルティメット・コレクション"
THE TEMPTATIONS "The Ultimate Collection"
 テンプテーションズといえばやっぱり「マイ・ガール」でしょう。次は「シンス・アイ・ロスト・マイ・ベイビー」「ゲット・レディ」ぐらいが来て、フェイセズもライブでやってた「アイム・ルージング・ユー」、ストーンズもやってる「ジャスト・マイ・イマジネーション」。他にも「パパ・ウォズ・ア・ローリン・ストーン」「ザ・ウェイ・ユー・ドゥ・ザ・シングス・ユー・ドゥ」など、ぜーんぶ知ってる曲ばっかりの究極の選曲。

 こてこてモータウンらしい時代からサイケデリック・ソウルとかファンクとかどんどん変化していく様子もわかってソウルの歴史も感じ取れます。

 テンプスのビデオとか見たら、なんでもっとダンスが上手じゃないのかな?って不思議ですねえ。サンダーバードじゃないですか、あれじゃあ。

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