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ここは最近買ったCDについて文句を言うコーナーです。
こういうのは完全な趣味の世界ですから、買うときの参考にはなりませんのんで、あしからず。

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クイックシルバー・メッセンジャー・サービス "サンズ・オブ・マーキュリー"
QUICKSILVER MESSANGER SERVICE "SONS OF MERCURY"
 あ〜、気持ち悪い〜。このダルダルな音空間。サンフランシスコのヒッピー臭さが充満した2枚組ベスト盤。ウエストコーストなのにマイナー(短調)の曲ばっかり〜?ボディ・ペインティングしたお姉ちゃんがクネクネ踊ってて、インクを垂らしたようなサイケな照明が暗闇に浮かぶという雰囲気。あ〜、うっとおしい梅雨空のような曲が延々と続く〜。ある意味、プログレなのかも…。68〜75年の全30曲!拷問です。

 LPでは1枚も持ってないんやけど、「フィルモア最後の日」には何曲か入ってたでしょ?ジャケット的にはいい感じのが多くて「ハッピー・トレイル」なんか欲しくなるジャケットでしたね。イッツ・ア・ビューティフル・デイもジャケット欲しくなるバンドでしたね。70年の「ただ愛のために」に入ってる「フレッシュ・エア」という曲が大好きです。まあ、この1曲のために買ったようなもんです。

 この曲は思い出がありましてね。K外大軽音の定期演奏会でエンディングの曲としてやったんですよ。毎年、4回生が引退するゆうんでエンディングの曲を選ぶんですが、こんなマイナーな曲を候補にあげたら反対が多くてね。もっとポピュラーな曲がええ!とかゆわれてね。で、ボクとしてはお得意の「スネスネ攻撃」で「ほんならオレはやらん!」とかなってね。結局はなんやかんやでやったわけ。あ〜、あんときの「スネスネ攻撃」は今だに使ってるけど、オレも成長せん人間やなー。

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サンタナ "サンタナ登場"
SANTANA "SANTANA"
69年サンタナ登場。サンターナ!SANTANA! SENTAMA!センターマ!泉たまは79年登場です。

「ウッドストック」の泥まみれのダイブシーン。ズンドズンドコとタイコの音が鳴り響き、「オー、オー、オー、ウオゥオー」と合唱が聞こえて来て、ベースの音が「ズンズンズンズーン」と絡んできて、ボーカルの声が「オー、マママママママママママ〜」と絶叫して始まる「ソウル・サクリファイス」これはホンマにすごいインパクトでしたねー。

 カルロス・サンタナという個人より、サンタナというバンドがここにはありますね。いいアルバムです。

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スポックス・ベアード "オクタン"
SPOCK'S BEARD "OCTANE"
「ハイオクですか?」「いや、レギュラー満タンで」の「ハイオク」は「はい、オクタン」の略ですから、このアルバムの邦題は「ハイオク満タン入りまーす」でどう?

 いきなりメロトロンが聞こえて来て、プログレ道を正面から追求している姿勢がいいですねー。オクモト・リョーという日本人がキーボード担当なんだってサ。この人、たぶん初期のクリムゾンとかELPが好きなんとちゃう?

 1〜7曲目までは組曲になってるということやねんけど、あんまりそうは感じないなー。3曲目なんか唐突にハードロックになってるしー。でも全体の展開の持って行き様はかなりいいです。プログレとはこうあるべきだーというツボを押さえてます。

 プログレ発掘大作戦の中では「いい部類」です。

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カイパ "鍵を持つ者"
Kaipa "KEYHOLDER"
 カイパなのかケイパなのか知りませんが、フラワーキングスのメンバーが2人参加しているというバンド。

 ジャケットに子どもを入れたところがムーディー・ブルースの『童夢』を思い出させてくれます。気持ち悪い生き物が子どもの後ろにいて不気味なんですが、子どもにとっては「気持ち悪い」もんではなく、実は仲間だったりしてね。不思議の国のアリスっぽいような…。

 さて、プログレ的にはイエス系かな。
 プログレ発掘大作戦史上初ともいえるロバート・フリップ的不気味&不協和音ギターソロが一瞬だけ聞こえる。これにはビックリ。でもホンマに一瞬だけで、後はクイーンのブライアン・メイっぽいギターとフレディ・マーキュリー的なボーカル(ときどきエアロスミスのスティーブン・タイラーのようにも聞こえる)が不思議なプログレ感をかもしだしてくれます。
 女性ボーカルもおって、時々絡んできます。澄んだ高音の声がジョン・アンダーソンを思わせる。コーラスで聞かせる部分はやっぱりイエス。変拍子を使うとジェネシスに聞こえちゃうのは、それだけジェネシスの変拍子がごっついインパクトで脳にこびりついてるからなんでしょう。

 全体的にはプログレとして成功しています。古いオッサンファンも納得。
 でも、音をちょっと聞いただけで「イエスだ!」「キン・クリだ!」「ジェネシスだ!」「ピンク・フロイドだ!」と言う風に、「ケイパだ!」と言わしめる個性がないのは時代のせいなのでしょうか??

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ナイト・エリア "日はまた昇る"
KNIGHT AREA "THE SUN ALSO RISES"
 ナイトは夜じゃなくて「騎士」の方です。騎士の領域?というバンド。

 CDの帯(輸入盤なのに帯つき!)には「キャメル、ジェネシス、IQ、ペンドラゴンの伝統を引き継ぐシンフォニック・ロック」と書かれてあって、まさにその通りの音(ペンドラゴンなんてシランけど)。
 キャメルの聞きやすさ&シンプルさと、ジェネシスの曲構成&変拍子を合体させたようなプログレです。そんなにメタルな感じもないので耳に優しいプログレです。

 ジャケットがいいねー。LPサイズで見たいよ。左手には夜の都会(ビル)と一人の現代人。右手には中世のお城と騎士たち。遠景には現代の街の夜景。

 10人もメンバーおるんやけど、ヒマな人もおるやろなあという意外とあっさりした音だと思います。

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ハッピー・ザ・マン "女神の寝起き"
HAPPY THE MAN "THE MUSE AWAKENS"
 ギター、ベース、ドラム、キーボードにサックスというメンバーの長い歴史を誇るアメリカン・プログレ。

 ブランドXみたいに演奏だけで緊張感持たせてグイグイくるわけでもなし、クリムゾンみたいにギャリギャリにハードなとこも一切ないし、ソフト・マシーンのような前衛的なとこも全然ないし、アメリカやからカンサスみたいなポップな路線でもない。一体このバンドのウリはなんなの?

 キャメルが寝ながら演奏しているようなイージーリスニングな曲やら、クリムゾン(レッド)を爽やかにアレンジしたような曲やら、いきなりジョン・ウェットンがボーカルで乱入してきたような取って付けたプログレソングがあったり、一体何がしたいねーん!

 そろそろプログレ発掘大作戦も終了したほうがよさそうやなあ。大当たりなんて全然ないぞ。

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IQ・アイキュー "暗黒質"
IQ "DARK MATTER"
 昔、ブルー・マターというサボイ・ブラウンのアルバムがありましたが、やっぱりブルースということでブルーやったんでしょうか?これはダーク・マターだからかなりダークな世界かな?(ジャケットもかなりそういう雰囲気やし)と思って聞いてみたら、ダークというよりはIQサプリという感じ。

 完全にジェネシス・フォロワーなバンドらしく?オリジナル曲というよりも「さて、この曲はジェネシスのどの曲のどの部分のパクリでしょうか?」とクイズを出されてるみたいで、そのクイズに正解してスッキリ、IQサプリ!という感じですわ。

 それにしても最近、ああいうクイズ番組が増えてますねえ。出題者だけがニコニコして、分かった奴らが答え分からんヤツらをやーいやーいとはやすような番組。あんなんダメです!

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ロバート.プラント&ザ・ストレンジ・センセーション "凄腕再配列屋"
ROBERT PLANT & THE STRANGE SENSATION "MIGHTY REARRANGER"
 あのロバート・プラントが「ロックンロール」に戻って来た!というアマゾンの広告文にのって買っちまったが、なんだ、この摩訶不思議な音世界は。

 なんぼがんばってもロックンロールとは呼べん奇妙な音楽。民族音楽系でもあるし、ブリティッシュ・トラッド系にも聞こえんこともないし、なにやら怪しい音楽です。

 こんなロバート・プラントには用はおまへん!

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トランスアトランティック "永久(とわ)に架ける橋"
TRANSATLANTIC "BRIDGE ACROSS FOREVER"
 どう見てもShadeで創りましたみたいなジャケットの絵がチープやけど、メンバーは今現役のプログレバンドから選りすぐられた人たちのようで、この前買ったニール・モースも入っている。あとフラワーキングスとかドリームシアターとか。

 で、どんなプログレかというと、例えば1曲目。
 低い弦楽器の音で荘厳な感じで入ってくる。アルバム全体のテーマがピアノで来たと思ったらジャーンとバンドが入って「どうだ!」という気合いの入り方。このへん、EL&Pのような、YESのような演奏で長いイントロが続く。やっと歌が聞こえて来て、これがグレッグ・レイクに似てる〜。そしてアコースティック・ギターが入って来て静かになる展開がまさしくYESだ。またハードになってギターのリフがジェスロタル風。オルガンソロはリック・ウエイクマンだ。短いドラムソロのあと、スティックをブラ・スティックに持ち替えてジャージーなジャムセッション風に。からんでくるギターがスティーブ・ハウ?メル・コリンズばりのサックス・ソロもある!変拍子はGENESISかと思わせる。

 というように延々と70年代プログレの雰囲気をプンプンさせながら26分の1曲目が終わる。

 どうです!全部、聞きたくなるでしょ?

 ダルくならないのはドラムがうまいからでしょうね。(カンタベリー系のプログレはドラムがアカンからダルいのよね。)ちゃんと最後まで聞けるアルバムです!尚、邦題はボクが勝手につけてます。

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ラッシュ "非情の愛撫"
RUSH "CARESS OF STEEL"
 ラッシュゆうバンドは昔〜っからおるけど、プログレやーって言われてるようなのよね、一部では。だから昔〜っから気にはなってたのよ。ひょっとしたら、すごいバンドを聞き逃したままなのではないか!って。
 長いことやってるバンドやから、むちゃくちゃいっぱいアルバムもあるのよ。どれから聞くんがええのんか?!

 で、ついに75年発表のこのへんな題のアルバムにした。鋼鉄の愛撫?頑固な抱擁?なんでもええけどジャケットくさい、趣味悪い。

 聞こえて来たのはロバート・プラントばりのキンキン声のハード・ロック。演奏だけ聞いたらロビントロワーみたいなんもあるけど、一応、ツェッペリン・フォロワーなのかな?という音。ギターリフが斬新なのもあるけど、それをプログレに入れてしまうのは、うー、どーでしょー。こんなのプログレじゃないやーい。

 だからショーモナイというわけでもないんです。75年にこういうリフでハードロックやってたんなら胸はれますよ、ラッシュさん。

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