なんちゅうマニアックなもん売っとるんじゃー!と怒られそうな、そして、おぉ〜よくぞ出してくれたー!と涙流して喜ばれそうな、そんな3枚組ボックスセット。
60年代後半から各レコード会社は「ビートルズゆうもんが売れてるらしいぞ。それならウチもそういうバンドを発掘して儲けよう」という発想で、ライブハウスなんかで演奏してるバンドのレコードデビューをばんばかしたわけ。ロックは金もうけになる!という「ロックの商業化」のハシリ。でも、メインのレーベルでそういう訳の分からんロックを売り出すわけにはいかんから、レーベルを分けたわけ。ゆうたら「東芝」という看板ではロックなんか売れんから別の名前でレコードを売ったと・・・そういうこと。
で、この3枚組にはデッカ・レコードとデラム・レーベルから雨後のタケノコのようにぞろぞろ出て来た訳の分からんバンドがぎっしりつまっている。有名なところでは、ムーディーブルース、テンイヤーズアフター、キャラバン、キーフハートレーバンド、サボイブラウン、シンリジー、キャメル、カーヴドエアなどなど。出た当時聞いたことあるけど、それから30年程、さっぱり聞けなくなった(CDも出ないし放送もされない)バンドもごろごろおって、「あ〜!こんなヤツおった、おった〜」って感じで卒業アルバム見てるみたいな懐かしさ。時々「こんなんやったかな〜?」って思い違いしてるような音もあったりしてね。
メジャーなバンドになれなかった野郎どもの青春を懐かしむ企画としては最高のレベルのCDだと思います。本年度「企画賞」決定間違い無し。
|