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ここは最近買ったCDについて文句を言うコーナーです。
こういうのは完全な趣味の世界ですから、買うときの参考にはなりませんのんで、あしからず。

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カーヴド・エア "ライブ"
Curved Air "LIVE"
 ↓のデッカ・アンソロジーに1曲だけこのアルバムから収録されていて、それがまたスゴかったのよ。スタジオ盤のソーニャの歌は「美しい&可憐」な感じで「あぁ女神さま」みたいやったのに、ライブになると「おいおい、ジャニスかよぉ〜」みたいなシャガレ声でシャウトしまくり!いろっぺぇ〜!

 でも実際には、ヴァイオリンのダリル・ウェイもキーボードのフランシス・モンクマンも抜けちゃって、カーヴドエアとしては悲惨な状態もあったわけ。音楽的にも生活的にも。
 まったくギャラが入ってこなくなって、ソーニャは小さい乳飲み子を抱きながらパート仕事をしてたっていうし、神田川みたいな生活やったんやろなあ・・・。

 で、そういうソーニャの可哀想な生活をたすける?ために?ダリルとモンクマンが一時的にバンドに戻ってツアーをしたときのライブってわけ。

 そう考えると、「美しい&可憐」だけでは生活できなかったソーニャの開き直りというかたくましさというか、女の強さみたいなもんを感じてしまういいアルバムです。

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"デッカ・レコード・アンソロジー"
"LEGEND OF A MIND"
 なんちゅうマニアックなもん売っとるんじゃー!と怒られそうな、そして、おぉ〜よくぞ出してくれたー!と涙流して喜ばれそうな、そんな3枚組ボックスセット。

 60年代後半から各レコード会社は「ビートルズゆうもんが売れてるらしいぞ。それならウチもそういうバンドを発掘して儲けよう」という発想で、ライブハウスなんかで演奏してるバンドのレコードデビューをばんばかしたわけ。ロックは金もうけになる!という「ロックの商業化」のハシリ。でも、メインのレーベルでそういう訳の分からんロックを売り出すわけにはいかんから、レーベルを分けたわけ。ゆうたら「東芝」という看板ではロックなんか売れんから別の名前でレコードを売ったと・・・そういうこと。

 で、この3枚組にはデッカ・レコードとデラム・レーベルから雨後のタケノコのようにぞろぞろ出て来た訳の分からんバンドがぎっしりつまっている。有名なところでは、ムーディーブルース、テンイヤーズアフター、キャラバン、キーフハートレーバンド、サボイブラウン、シンリジー、キャメル、カーヴドエアなどなど。出た当時聞いたことあるけど、それから30年程、さっぱり聞けなくなった(CDも出ないし放送もされない)バンドもごろごろおって、「あ〜!こんなヤツおった、おった〜」って感じで卒業アルバム見てるみたいな懐かしさ。時々「こんなんやったかな〜?」って思い違いしてるような音もあったりしてね。

 メジャーなバンドになれなかった野郎どもの青春を懐かしむ企画としては最高のレベルのCDだと思います。本年度「企画賞」決定間違い無し。

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ジョー・ウォルシュ "ライブ"
Joe Walsh "Recorded Live/You Cna't Argue With A Sick Mind"
 言わずと知れたジョー・ウォルシュのめっちゃくちゃ売れたライブ・アルバム(1976年)。ミラーボール輝きまくってますが、ジャケットとしては全然カッコよくない。

 名曲「ウォーク・アウェイ」のこのバージョンも時々無性に聞きたくなる。ジェームス・ギャング時代のスタジオ盤バージョン(かなりドタバタ演奏してる)もライブ・バージョン(さらにドタバタしてる)もカッコいいけど、このソロバージョンもええよね。ドライブ感が気持ちいい。

 今はどうしているんでしょう?

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リック・デリンジャー "ザ・ベスト・オブ・リック・デリンジャー"
Rick Derringer "THE BEST OF RICK DERRINGER/ROCK&ROLL HOOCHIE KOO"
 ウインター家の『秘蔵っ子』っちゅう感じで、ジョニーさんやエドガーさんとかホワイト・トラッシュのアルバムでギター弾いたりプロデュースしたりしてたリック君がソロで登場したのが73年の「オール・アメリカン・ボーイ」。このアルバムに「ロックンロール・フーチークー」が入ってて、この曲は大ヒット。ところがアルバムジャケットの写真が「馬かロバ」みたいなアホ面してたから評判はもひとつ。
 75年の「スプリング・フィーヴァー」ではニューハーフも真っ青という感じのアニメ風美少年なジャケットで登場。これは売れた!(・・・という記憶)。

 で、このベストは「ほー!あの後もチョロチョロとソロでがんばってたんやなー」という感じで80年のアルバムまで網羅。ふ〜ん。あんまり知らん曲を聞くと「苦労したんやろうなあ」と思っちゃう。だって出来はたいしたことないもん→ってことはあんまり売れなかったってことでしょ?

 でも名曲はいつまでも名曲で、「ロックンロール・フーチークー」と「スティル・アライブ・アンド・ウェル」はやっぱりいつ聞いてもいい曲だ。

 今はどうしているんでしょう?

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J・ガイルズ・バンド "アンソロジー"
THE J. GILES BAND "ANTHOLOGY/HOUSEPARTY"
 アメリカで、編集もののボックスセットとか2〜3枚組のCDとかゴチャまぜ寄せ集め曲のアルバムとかを作っているレーベルで「リノ・レーベル(RHINO)」ってのがあるんやけど、案外おもろいのんがある。安いし。

 で、これは2枚組のボックスセット。70年のファーストから82年のライブ盤「ショウタイム」までの12年間のベストです。

 選曲がまさに「ベスト」で、うれし涙ちょちょぎれます。J.ガイルズファンには超オススメです。これさえあれば無敵!(たぶんこれを聞くと「フルハウス」も聞きたくなるでしょうが)。
 なにしろ「狼から一撃」と「フルハウス」でのライブがごっちゃになって編集されてるから、その怒濤の迫力はすさまじいです。

 ピーター・ウルフはソロでがんばってるらしいけど、ハープのアフロおじさんは、今はどうしているんでしょう?

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クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル "ザ・コンサート"
CCR "THE CONCERT"
 70年1月、オークランドでの録音。ちゃんとメンバー4人そろってるときのライブです。

 文句ありまっしぇん。CCRゆうたらコレです。

 ジャケットの写真見たら「70年やなー」という機材がしょぼく並んでる。いいなー、こういう感じ。なんのギミックもなくアンプからそのまんま出て来る音だけで勝負!だるんだるんのドラムがまたええんやなー、これが。ブレイクしてバっと入ってくるとこがバラバラなのも、雰囲気出てるんやなー、これが。14曲も入ってるのに全部で50分もない・・・平均1曲3分台。ええんやなー、これが。

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ヴァニラ・ファッジ "ザ・リターン"
VANILLA FUDGE "THE RETURN"

↓67年盤

 ジャケットを見てニガ笑い。おいおい、67年のデビューアルバムとまるっきりいっしょかい!ただヌードの女性が前よりもハッキリしてるけど。ご丁寧に中ジャケにも裏ジャケにもヌードが!中年男性ファンを完全にゲットやね。CD本体を見てまたまたニガ笑い。サイケデリックとはこのことじゃー!と言わんばかり。

 音(演奏)を聞いて、もう大笑い!デビュー盤と同じように人の曲のカバーを「サイケで派手で仰々しい」アレンジで延々とやっちゃってます。
「キープ・ミー・ハギング・オン」は定番でしょう。「ショットガン」「ピープル・ゲット・レディ」「シーズ・ノット・ゼア」「アイム・セクシー」などを完全にオッサンらの趣味というか楽しみだけで遊んじゃってます。

 そうです。これは中年のオッサンの娯楽の音楽です。カーマイン・アピスの「いらんやろ、そんなオカズ」ドラムは健在。ティム・ボガードはやっぱり歌うまい。おう!久しぶりやな。またいっちょうCDでも作ろかー。そんなノリで作ったもん普通に売るなよー!しかしオモロイ!

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ピート・タウンゼント "チャイニーズ・アイズ"
PETE TOWNSHEND "All The Best Cowboys Have Chinese Eyes"
 82年に発表されたザ・フーのギタリストであり頭脳であったピート・タウンジェンド(ホンマはどう発音すんや?)のソロ。

 ボクにとって、「現人神」が出たころのピートのソロアルバムのイメージは『難解』という感じだったので、この人のソロには今までいっさい手を出さなかったわけ。でも聞いてみたら全然そういう感じではなかった。

 アルバム「四重人格」のギターのリフの感じと、なにやら熱く語っているメッセージ性で、なかなかイイやん?ギターの弾きまくりなんか全くなく、曲作りとアレンジをがんばりました!という雰囲気で、歌もまあまあ聞ける。

 ふと思ったのは、クィーンというバンドはザ・フーに影響されてたんやなーということ。アルバム全体の作り方とか曲の構成とか「ロック・オペラ」風の仕上げ方とか・・・、そういうことってザ・フー(ピートの趣味?)と似てたのよ。へーえ。

 21世紀になってもチョコチョコ新しいのん出してるみたいやから要チェックや。

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キング・クリムゾン "パワー・トゥ・ビリーブ"
KING CRIMSON "The Power To Believe"
 これがフリップさんの考えていた新しいコンセプト「ヌーヴォ・メタル」なのか!拍手と不安・・・。

 気合い入りまくりの演奏で「レベル・ファイブ」とクラブ19「ライブ・イン・ナッシュヴィル2001」と、予告編の前作「しょーがない」の3枚のアルバムから大体想像できる音。
 久しぶりにちゃんとしたアルバムが出たなという感じで、これは売れそうな気配。

 フリップさんの言うメタルは、あの「レッド」を彷佛とさせるギャリギャリとした手触りの音質と極限のインプロビゼーションということなんでしょうか。
 ところが、聞いていて「クリムゾンもとうとう時代に追い付かれてしまったんとちゃう?」というのがボクの感想。
 ボクは聞いたことないけど、たぶんこういうグランジ?っぽいサイバーパンク系?って他にもやってるバンドおると思うねん。外部からプロデューサー雇ったぐらいやから、目指す音がすでに他にあったわけやん。ってことは、クリムゾンもそういう音楽やってるバンドのワン・オブ・ゼムになってしまったということとちゃう?
 フリップさん、これではイカンのとちゃう?

 とは言っても、他のバンドには絶対マネできない曲構成力とテクがあるから、クリムゾンとしての面目は十分たもってるんやけどね。

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キング・クリムゾン "シャンパーニュ・アルバナ・セッション"
KING CRIMSON "Champaign - Urbana Sessions"


THE VROOM SESSONS


NASHVILLE REHEARSALS

 クラブ21として出た83年の録音。セッションというのは「今度のアルバムどんなんにする〜?」「とりあえずメンバーの持ち寄ったネタで適当に合わせて演奏してみよう」「それを録音しといて、ええのがあったらチャンと曲にしてアレンジしなおそうよ」というノリでやってる演奏のこと。だから演奏の最中に「次はエー・マイナー(Am)!」とか叫んでるのが聞こえます。

 ところがね、この83年のセッションは惨たんたる結果に終わったみたい。だって、その後、ちゃんとしたアルバムは出ずじまいでしたから。
 結局、「ビート」と「パーフェクト・ペア」のアルバムが出た時のメンバーがもひとつしっくりいってなかったのか、フリップさんの思った音になってなかったということでしょうね。

 それに比べると、94年の「ヴルーム・セッション」も97年の「ナッシュビル・リハーサル」も成功したということでしょうね。それぞれ次のアルバムにつながるようないい演奏だし、曲のアイデアもボロボロ出て来てるし。
 スタジオ借りるのも、人件費も、メンバー集めるのも、えげつなくお金のいることやから、アルバムにつながらないセッションは「殺生」なんでしょうね、きっと。

 泉たまもこの方式でやったらええんとちゃう?ウダウダ遊んでるときの演奏をMDかなんかに録音しといて、後からええのんあったら曲に仕上げて行ったら新曲も増えるっちゅうことや。ボケてきてるから、先週やったヤツとか思い出そうとしても無理やもんねー。

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