これは本年度(2002)最高傑作アルバム。
ついにこの境地に辿り着いたと言うべきか、とうとうここまで来てしまったと言うべきか。これはジャンルを問わずロック史上に残る傑作でしょう。
言ってみれば「スカの曲」がない。無駄なアレンジとか、無駄な音がない。研ぎすまされたというか、究極というか、もうこれ以上のものはできないし、これ以下ではもう我慢できんというレベルに達したのよ。
まあゆうたら、スティーリー・ダンの「エイジャ」とか、ロキシー・ミュージックの「アヴァロン」とか、ピンク・フロイドの「狂気」とか、クリムゾンの「レッド」とか(・・・クリムゾンはそう簡単には言えんか)。
これまでの「サイバー・パンク」とか「民族音楽」とか「重たいメッセージ」とか、そういうガブリエル節・ガブリエル調アレンジはほとんど変わらずにあるんだけど、ストレートにというか、いらんもんは全部排除して、スッキリと、でも、それはそれは「重たく」歌ってる。
特に、いらん楽器のかわりに、コーラスを、人間の声を、めっちゃ効果的に使ったのがいい!これはガブリエルさんが去った後のジェネシスでフィル・コリンズがやってたこと←というのが、皮肉じゃなくホンマにええ。ひょっとして、フィルさんがアドバイスしたんか?
打ち込みというかプログラミングで、い〜っぱい音の洪水みたいなようで、それでも洗練されてて、うるさくない。声をじゃましてない。ノイズっぽい音の壁でも美しい。
さらに超・高音から超・低音まで、ボクのステレオなんか安モンやけど、すっごいダイナミックレンジというか、こういうのん何て言うん?音的にものすごいんです。全身どっぷり浸かれるドロドロだけど気持ちの良いお風呂みたいな感じです。
昔っからのプログレ・ファン(私のような)が聞いても「おおー、とうとう、やりよったかー!」と涙ものの曲がずらり。あの1枚目の名曲"Here Comes the Flood"の感動を彷佛とさせてくれます。
ただ一言文句をつけるなら、ちょっと人を寄せ付けない雰囲気がします。でも、冷たくないのよ。わかってくれる?この魅力!!
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